では、本当に60歳から厚生年金がもらえる・・・というサラリーマンの年金に対する常識は完全に崩れてしまったのでしょうか。いえ、そうではありません。
もちろん、これから60歳を迎える人の場合、生年月日によって60歳から一部の年金の支給がある年代の人たちもいます。しかし、すべての人に共通しているのは、65歳という法律で定める本来の年齢から支給される老齢厚生年金や老齢基礎年金は本人が希望すれば支給開始年齢を60歳に繰り上げてもらうこともできるのです。
2001年4月1日以降に60歳になる、1941年4月2日以降に生まれた人からは、老齢基礎年金の支給開始年齢を繰り上げた場合の減額率が緩和されています。また、老齢厚生年金についても支給開始年齢を繰り上げて受けとる場合は、基礎年金同様の減額率を適用されることになっています。
どうしても、60歳からの生計に年金が必要であれば、これらの制度を利用して支給開始年齢を繰り上げてもらえばいいのです。確かに、毎年の年金支給額は生涯を通じて減額されるわけですから、長生きすれば受け取れる年金の総額については繰り上げたことで損をするかもしれません。でも、「必要であれば受け取れる」という選択肢があるだけで、ぐっと、気持ちが楽になるのではないでしょうか。
長生きがリスクだと言う人もいます。でも、もともとこの国では長寿は「おめでたいこと」です。ゆっくり、のんびりとした老後を送りたいものですね。
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