文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
11月9日、厚生労働大臣の諮問機関である「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会(以下、女性と年金検討会と略します)」において、夫婦が離婚時に合意すれば、夫の厚生年金を分割して妻が受け取れる制度を導入する方向で意見がほぼ一致しました。今後は、12月に発足する社会保障審議会年金部会で次期財政再計算時の改正に向けて、継続的に具体策が検討されることになります。
ちょうど、先月、このオールアバウトの年金サイトの「あなたの一票」で取り上げていたテーマでしたね。オールアバウトの読者は、20歳代から30歳代が中心ですが、結果は、4人に3人が離婚時の年金分割OK!でしたよね。
平成12年に公表された「離婚に関する統計(人口動態統計特殊報告)」によると,
1)戦後50年間で離婚率は4.6倍に増加
2)若い世代ほど離婚しやすい
などの結果とともに、離婚率は昭和40年代から上昇傾向あり平成6年以降は毎年最高記録を更新しているとのことです。
★離婚時の老後の年金について焦点をあててみると…★
厚生年金に加入している会社員である夫は、老後に全国民共通の老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給することができます。しかし、専業主婦であった妻が離婚した場合は、老後は老齢基礎年金(平成13年度価格で、40年間国民年金に加入していた場合に月額6万7000円あまり)だけです。夫婦で協力し合って現在の財産を築きあげてきたという発想をすれば、夫に比べて離婚する妻はわずかな年金しか受け取れず、不利な制度であるとの指摘があったのです。
今回「女性と年金検討会」でほぼ一致をみた年金分割とは…(次のページへ)