文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)

先日、あるセミナーで質問を受けました。
「最近なんだかバカらしくなってきたから、国民年金の保険料払うのをやめようかと思っている。あなたは、年金制度についてどのように考えているのか?」というものでした。

ご質問の意図は、法律上どうなっているのか?を問いかけているのではありません。

近年の年金財政再計算では、若い世代に有利な改革はありませんでした。保険料アップ、給付の抑制が続くうえ、景気の長期低迷も影響して年金財政の一層の積み立て不足や運用難も公然と語られるようになりました。

「制度そのものが破綻状態にあり、その存在も危うし」とする論調も目立ちます。だからあえて、「年金に詳しいあなたは、どう考えているのか?」と問われたのでしょう。

年金に対する思いは、個々人で異なるのはあたりまえです。
しかし、私たち共通の願いが、ハッピー・リタイアメントであるならば、公的年金制度は絶対不可欠なものではないでしょうか。私見ではありますが、そんな思いを、お話させていただいたのでした…


経済的に自立して自分らしく生きていきたい

どの世代であっても、「経済的に自立」して「自分らしく生きたい」と考えているでしょう。では、それを実現させるためには、何が必要か。

それは、無理のない老後資金の準備。

危機感を実感してからでは、すでにおそい!準備するだけの時間がないのです。
確かに、強制的手段で保険料を納付させられることには、強い抵抗感があります。でもこれがあるからこそ、長期間にわたり少しずつですが、将来不可欠な経済的自立のベースを築けるのではないでしょうか。

28歳で、社会保険労務士として独立しました。そして時(年金の大改正があった)を味方につけ、年金相談員も経験してきました。しかし当時は、今の若者と同じように「年金制度は私の時代にもあるのだろうか?」とか、「今できることを始めなければ、年金だけでは頼りない」というような年金制度に対する疑念を持っていたように思います。

やがて娘が生まれ、三世代で暮らすようになりましたが、子として、親として、そして年金にかかわる者として、「年金制度が存在する意味は何なのか」に答えを出し、次のステップを踏み出したい思いがどんどん募っていったのです。