文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
公的年金の制度は、少しずつその形を変えてきました。
公的年金制度は、5年ごとに財政再計算を行い、安定した年金の財源が将来にわたって得られるような「国民から信頼される年金制度」の構築に向け、制度改革を行っているからです。
2002年12月には、厚生労働省から2004年に予定されている次期年金改革の方向性が示され、国民の関心も少しずつ高まってきたようです。幅広い場所で、時間をかけた議論が行われ、それを反映した形の抜本的な改革が1つでも多く着手されるといいですよね。そうあって欲しいと切に思います。
しかし私の接してきた若者の中に、「そんなの、私には関係ないから…」と話をそらす人が、増えてきたように感じています。
現在のしくみが、将来もずっと続くことはないのですが、制度がこれから変わっていこうとしている方向にさえも「全く無関心」な様子を目の当たりにすると、さすがに「本当に、それでいいの?」…と、淋しくなります。
若者が現在までの短い年金歴をもとにして、真剣に将来自分がもらう受給額を試算したとしたとしましょう。
どうでしょうか?
それって、信ぴょう性があるでしょうか?
あまり意味はありませんよね。
第一、これからの彼らの人生がどんなものになるか分からないし、「年金のしくみ」が今後もどんどん変わっていくことを、すでに知っているからです。
それであれば同様に、現在年金制度に山積している課題も、少しずつ改革が加えられる可能性も高いのです。○が×に、そして再び○になる…というような改革が行われることだってあるぐらいです。
年金の歴史を紐解けば、いくつも、そのような例はあります…