文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
 

あきらめていた遺族年金

すでに8年という時間が経過してしまいましたが、今でも「よかったな」と思える懐かしい年金事例があります。今回はその事例をご紹介しましょう。

相談者は、小さな洋品店を営んでいる71歳の女性でした。
彼女の夫は銀行員でしたが、1964年2月に勤務中のバイク事故で亡くなりました。
事故は仕事中のことでしたので、当時、労災保険から一時金が出たそうです。また、当時は夫の同僚たちが親切に手続きをしてくれたり、夫の死後の整理に際して力になってくれたので、「私は労災保険から一時金をもらったから、遺族年金はもらえないんだ」と年金を諦め、細々と洋裁をしながら高校生だった一人息子との生計をたててきたのだそうです。
 

受給権は生きていた!

そんな彼女に遺族年金への道を開いたのは、いつも集金に立ち寄って雑談をしていく銀行員でした。そして、なぜ在職中(厚生年金に加入中)に夫が死亡したのに、妻や子は遺族年金がもらえなかったのか…というこの銀行員からの相談を受けたのが、たまたま私だったというわけです。

さて…
彼女の夫が死亡したのは、1964年2月のこと。
遺族年金がもらえるかどうかの判断は、もちろん当時の法律に照らすことから始めなければなりません。現在の法律では○でも、当時のが×だったら、遺族年金はもらえないからです。

旧法に照らし合わせてみて驚いたのは、彼女の場合はとてもラッキーなケースで、厚生年金の遺族年金の受給権が32年経った今も生きているということでした。

何と言ってもラッキーだったのは…>>>>