公的年金は必要だが、現行の国民年金には問題が山積している
「公的年金は必要である」は認識一致。国民年金の位置付けについて、各党議員の見解が分かれた |
さすがに各党の議員とも「公的年金の必要性」についての異論はなく、制度を維持・充実する方向で認識も一致。ところが、公的年金の制度共通の国民年金(基礎年金)の位置付けに関して見解が分かれました。
山積する国民年金の問題点の一つに保険料の未納・未加入問題がありますが、この点についての認識は各党が共有しています。ただし、今後の問題解決を探る方向について、与党と野党が対立しています。対立点は以下のとおりです。
■与党…社会保険料方式を前提として、老齢基礎年金の受給資格期間(現行では25年)や保険料の上昇などを改めて考えていくべき。
■野党…就業形態の変化等が多様化し、もはや現行制度にはそぐわない上、定額保険料では低所得者層に対する逆進性が強く作用しているので、制度設計そのものを考え直すべき。
公的年金制度の改革が頓挫することなく、継続されることを望む
8回の両院合同会議で話し合われたことが無駄にならないように、今後も継続して話し合いを続けて欲しい |
■与党…まず国民年金(基礎年金)を除く厚生年金と共済年金の一元化を実現し、そのうえで国民年金の一元化を具体的に考えるべき。
■民主党…全体像を組みなおす。国民年金も含めた公的年金制度の一元化をめざすべき。
以上のように、平成17年に8回開催された両院合同会議では、年金制度は国民生活には必要不可欠なものであること、そして、すべての公的年金を一元化する方向であることなど認識の一致していることもはっきりしました。
共有できる公的年金制度への認識を確認し、とても困難な作業ではあるけれど、党派を超えて国民が納得できる制度ができ上がるまで継続して話し合う場を持って欲しいものだと思います。このたびの衆議院の郵政解散によって、今までの話し合いがまったく無駄になってしまうようでは、これからも改革は期待薄だと思えるからです。
公的年金制度改革は、国家の重要課題です。
国民が安心して自分の将来像が描ける新しい年金制度を構築するまでは、国会議員は党派を超え一丸となってこの課題に真剣に取り組んでほしいものですよね。