文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
年金には「所得保障」という保険機能が備わっている
合理的なマネープランは、公的年金の守備範囲を確認することから始まる |
「長期療養生活を余儀なくされるかも知れない…」と思えば、治療費や療養期間中の所得保障を確保できる医療保険、「一家の大黒柱が突然亡くなったら、子供達を1人で育てることができるかどうか不安」だと思えば、生命保険によって遺族の生活資金を確保することが合理的だからです。
また現役引退後の生活期間も20年~30年と、年々日本人の60歳からの平均余命は延びており、老後の生活資金の確保も人生の大きな課題となっています。このように将来に対する不安が大きければ大きいほど、加入する保険の数が多くなり、それらの保険料が今の生活を圧迫することになるかもしれません。
過度に先を案ずるが為に、今の生活が苦しければ本末転倒です。合理的な保障設計をするならば、まず、国が運営している社会保険の実力をしっかり勉強した上で、不安だと思う部分を個人的に準備しておく…それが合理的な方法です。
社会保険の中でも所得保障については、公的年金の守備範囲です。
例えば、死亡・長期療養を余儀なくされた場合や障害者になった場合、あるいは高齢になったら、公的年金制度から年金を受取ることができるのです。どんな場合に、どのぐらいの年金が受取れるのか…をしっかり頭に入れた上で、不足分を準備することが合理的なマネープランの出発だということ、理解していただけましたよね。
さて年金の実力は?>>次のページへ