一般の免除制度とは
一般の免除制度には、「法定免除」と「申請免除」の2種類があります。法定免除というのは、国民年金から障害年金を受けている人や、生活保護法による生活扶助(生活費)を受けている人などが対象です。これらの人は市区町村に届出をすれば、保険料の全額が免除されます。申請免除は、所得が少なく保険料を納めることが困難な人が、市区町村に申請し、認められれば、保険料の免除が受けられるものです。誰でも免除を受けられるわけではなく、前年所得によって免除を受けられるかどうかが決まります。現在、国民年金保険料は月13,860円ですが、前年所得によって免除の種類も4つに分かれています。
免除の種類と保険料負担 | |
〈免除の種類〉 | 〈保険料〉 |
◆ 全額免除 | ⇒ 0円 |
◆ 4分の3免除 | ⇒ 3,470円 |
◆ 半額免除 | ⇒ 6,930円 |
◆ 4分の1免除 | ⇒ 10,400円 |
【所得の目安は?】
それぞれの免除となる所得基準の目安は以下のとおりです(カッコ内は給与所得者の場合の年収)。
世帯構成 | 全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 |
4人世帯 (夫婦・子2人) |
162万円 (257万円) |
230万円 (354万円) |
282万円 (420万円) |
335万円 (486万円) |
2人世帯 (夫婦のみ) |
92万円 (157万円) |
142万円 (229万円) |
195万円 (304万円) |
247万円 (376万円) |
単身世帯 | 57万円 (122万円) |
93万円 (158万円) |
141万円 (227万円) |
189万円 (296万円) |
例えば、サラリーマン世帯の4人家族で、前年の年収が450万円だった場合には、年収420万円超であり486万円以下となりますので、申請すれば4分の1免除に該当します。
【将来の年金額は?】
免除を受けていても、受給資格を満たせば、将来の国民年金からの給付に、税金補助分だけは反映されて支給されます。 また、将来の年金額への反映割合は以下のとおりです(カッコ内は国庫負担が2分の1になった場合)。
全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 |
1/3 | 1/2 | 2/3 | 5/6 |
(1/2) | (5/8) | (3/4) | (7/8) |
【比べてみよう】
20歳から60歳までの40年間について、国庫負担2分の1で比べてみると・・・
1.全て納付済期間の場合 | ⇒40年分年金給付に反映 | :792,100円(月額約6.6万円) |
2.全て4分の1免除期間の場合 | ⇒40年×7/8=35年分反映 | :693,100円(月額約5.7万円) |
3.全て半額免除期間の場合 | ⇒40年×3/4=30年分反映 | :594,100円(月額約4.9万円) |
4.全て4分の3免除期間の場合 | ⇒40年×5/8=25年分反映 | :495,100円(月額約4.1万円) |
5.全て全額免除期間の場合 | ⇒40年×1/2=20年分反映 | :396,100円(月額約3.3万円) |
免除を受けた期間については、10年以内に保険料を納めれば、その期間は保険料納付済期間となって、将来の年金額には満額反映されます。余裕ができたら、追納することをおすすめします。
学生などの免除制度とは
一般の免除制度は、前述のとおり、保険料を後で払わない場合でも、税金分だけは年金給付が受けられる制度です。一方、学生や30歳未満の若年者に対しての免除制度は、その後保険料を10年以内に払わなくてはならず、払わない場合は受給資格にはプラスされますが、年金額には反映されませんので注意が必要です。免除制度を考える
免除制度について正しく理解できましたか?もちろん、保険料を全額きちんと支払えば問題はないのですが、どうしても一時的に支払いが困難という場合には、免除の申請をした方がよいといえます。免除にしてもらえれば、その期間分は年金をもらう資格に必要な期間にプラスされますし、将来の年金給付についても、税金分だけは受け取れることになるからです。ただ、安易な免除の利用は考えもの。もちろん未納よりはよいですが、年金額は少なくなります。一時的にきつくても保険料はなるべく全額納める方が、将来の生活設計を考慮すると望ましいでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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