転職・結婚などによって種別が変わる!
前述のように3つの被保険者の種類(種別という)は、転職や結婚などによって、どのようにかわるのでしょうか。3つの事例をみていきましょう。
●Aさん(35歳):転職を繰り返した場合
学生であった20歳から23歳までは第1号被保険者となります。学生については、平成3年4月以降、国民年金に強制加入(第1号被保険者)となっていますので、注意が必要です。Aさんの場合は、学生時代に保険料を納付しているかどうか確認する必要があります。ただし、滞納していた場合でも、保険料は2年間しか遡って支払うことはできませんので、納付することはできません(なお、平成3年4月前に学生期間がある人は任意加入期間となりますので、その期間、未加入の場合は、カラ期間(「35歳まで!年金加入期間を必ずチェック」参照)になります)。
Aさんが、就職や転職して、会社員の時期(23歳~28歳、30歳~35歳)は、厚生年金に加入していますので、第2号被保険者となります。なお、最初の会社を退職した後、再就職までの時期(28歳~30歳)については、第1号被保険者に該当しますので、保険料納付記録を確認するとよいでしょう。さらに、35歳から独立してフリーランス等となった後は、第1号被保険者になります。60歳になる月の前月まで保険料を自分で納付する必要があります。
●女性のBさん(35歳):結婚後しばらくして退社した場合
Bさんは、20歳から会社に勤めていて、33歳で退職していますので、その間はずっと厚生年金の被保険者であり第2号被保険者です。28歳で会社員の夫と結婚し、30歳で出産後、31歳まで育児休業をして復職しました。なお、育児休業中については、厚生年金の保険料の支払いは免除されますが、納付済期間として扱われます。
Bさんが33歳で2人目を出産し、会社を退職した後、夫の扶養に入るとそこから第3号被保険者となりますので、保険料の負担はありません。ただし、将来、夫が会社を退職(定年退職等)した場合には、Bさんが60歳未満であれば、「第2号被保険者の妻」ではなくなり、そこから第1号被保険者となり、自分で保険料を負担することになります。
●女性のCさん(35歳):夫の職業が変わった場合
Cさんは、高校卒業後すぐ会社に就職し、厚生年金に加入し、第2号被保険者になりました。25歳で会社員の夫と結婚し、退職後は夫の扶養に入りましたので、第3号被保険者となりました。なお、退職後に失業給付をもらって求職活動をする場合は、その間は、原則として第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。
Cさんが35歳の時に、夫が会社を退職し、フリーランスとして独立しました。Cさん自身の種別も第3号被保険者からはずれ、第1号被保険者となりますので、そこから保険料の負担が必要になります。
種別によって手続きが違います、要注意!(次ページへ)