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年金制度の将来、信じて大丈夫?

公的年金制度の将来に不安を感じている人も多いことでしょう。今回は、公的年金制度の特徴と意義をしっかり理解していきましょう。

原 佳奈子

原 佳奈子

年金入門 ガイド

年金・社会保障を軸とした将来生活設計に関する講演・執筆などを行う。また、幅広い業界で企業研修の企画・実施コンサルに携わりながら、公的年金の他、企業年金・個人年金、さらには老後を視野に入れた資産形成に関する啓蒙及び教育活動に携わる。

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「年金は将来どうなる?」、今回はそんな不安を持つ方にお薦めです!
 

公的年金制度はつぶれない?


「公的年金の将来が不安だ」とか「公的年金は将来つぶれてなくなるのではないか」などの声が聞かれます。公的年金は、社会全体で高齢者を支える「世代間扶養」という仕組みをとっています。国が存続していく限り、全てつぶれて無くなってしまうということはまずないでしょう。ただし、存続していくためには、制度を国民が理解し、保険料をきちんと納付していくことが必要です。
 

公的年金制度がなかったらどうなるの?


そうは言っても、現在の日本のような少子高齢化が急速に進む状況では、公的年金制度に対して不安を抱いてしまうのも当然と言えます。しかし、もし、仮に公的年金制度がなかったら、どうなるでしょうか。

現在は、親世代の中には十分な貯蓄財産があり、自分達は余裕をもって生活し、子供や孫世帯に還元している人も多いでしょう。これは、それまで加入してきた公的年金制度から生活費の基礎的な部分として年金が支給されているためといえます。もし、公的年金制度からの給付がなかったら、「子供から親へ」という一昔前のような「私的扶養」をして支えていかなければならなくなると言えます。
 
私的扶養の時代から世代間扶養の時代へ
 
※厚生労働省のパンフレットより転用

日本が高度成長期を迎える前までは、三世代家族が中心で、家族内の私的扶養が中心となっていました。しかし、核家族化が進むと、それまでのような家族内の私的扶養で親の生活を支えることは困難になり、社会全体で現役世代が高齢者世代を支えるという世代間扶養へと移ってきたのです。

公的年金制度がなかったら、若い世代の人にとっても、自分の老後の心配より先に、自分達の親が高齢になったとき、仕送りなどでずっと支え続けなければならなくなる可能性があります。

少子高齢化が進む中では、年金保険料の増加が避けられず、また、高齢者の年金給付水準の抑制も避けられないでしょうが、以前のように全てを私的扶養に頼ることへ戻るのは難しいでしょう。

公的年金の役割をしっかり理解しよう(次ページへ)
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