公的年金は社会保障制度の「土台」です!

世代間扶養の仕組みは?


現在、公的年金は、社会全体で高齢者を支える「世代間扶養」という仕組みをとっており、具体的には、自営業者、会社員、公務員などの現役世代の保険料で高齢者の年金受給世代を支えています。毎年、国民年金(基礎年金)の給付にかかる費用については、国民年金、厚生年金、共済年金の制度全体から、それぞれの加入者の人数に応じた額が基礎年金勘定へ拠出金という形で振り込まれます(基礎年金拠出金)。つまり、年金制度全体で高齢者の年金受給を支えているのです。

このような仕組みによって、実質的に価値のある年金を、終身にわたって保障するという公的年金の役割が保たれています。つまり、現役世代の賃金が物価上昇によって上がると、保険料収入も連動して増えるので、年金受給世代の年金額も賃金や物価の上昇によって増やすことができるしくみとなっています。これは、一般の個人年金にはない公的年金独自の特徴です。

しかし、この財政方式は、少子高齢化などの人口構造の変化に影響されやすく、世代間の不公平というものがよく議論されます。確かに、現役世代の負担があまりに大きくならないように、給付額も調整する必要はあります(「マクロ経済スライドって一体何?」参照)。現在では、物価が上昇したとしても、以前のように年金額が増えない仕組みになっています。

現在の受給世代は、給付面などで「恵まれている」という人もいるでしょう。確かに、現役時代に納めた保険料に比べると、年金受取額が多くなる人も大勢いることでしょう。しかし、現在の受給世代は、その親世代に対し、私的扶養により支えてきたという面もあります。また、現在の受給世代が、現役時代に負担してきた税金などで、社会保障面だけでなく社会全体のあらゆる面が改善されてきたことも忘れてはならないでしょう。

年金制度だけをみて、損得で加入しない人も大勢いるようですが、もっと全体的にみることが必要といえます。社会全体からみて、世代間扶養という制度の意義を理解し、現役世代の人々の信頼が得られなければ、制度は成り立たなくなってしまうでしょう。

なお、世代間扶養に基づく年金財政のしくみは下図のようになっており、基礎年金に対しては、現役世代からの保険料収入だけでなく、国庫負担(税金)からの収入や年金積立金の運用収入も充てられることになっています。
 
世代間扶養の年金財政のしくみ
 
※厚生労働省のパンフレットより転用


保険料を払わない人がいるけど大丈夫?(次ページへ)