変額個人年金保険は、支払保険料を国内外の株や債券に積極的に投資して、運用の結果で年金額が変動する商品です。個人年金保険と資金運用の2つの性格を持つ投資タイプの年金になります。支払い保険料は、ある程度まとまったお金を一括払いで支払うタイプが多くなっています。
1つの商品の中で、複数の投資対象(国内外の株式や債券など)を設定し、投資対象ごとに予定利率を設定せずに「特別勘定」で保険料を運用します。投資対象の運用成績が年金額に直接反映します。定額個人年金保険に比べるとインフレに強い年金です。
運用成績がよかった場合は受け取る年金額が増えますが、運用成績が悪い場合は受け取る年金額が支払保険料を下回ることもあります。なかには、最低保証を設けている商品もありますので、その場合は支払ったお金が減ることなく、運用によっては年金額が増えることになります。
変額個人年金保険は、商品によって投資対象が様々で、それに伴うリスクやリターンも変わります。一般に、契約者本人が投資対象を「日本国内の株式ファンドと外国債券ファンドと・・・」というように、自分で選ぶことができます。選択する商品によっては、老後資金を「貯める」機能と、「増やす」機能を併せもつものとなります。
変額個人年金保険を選ぶ際は、年金や保険といった機能に加えて、リスクを伴った資産運用になるので、投資信託を選ぶときように以下の点を考慮することが重要です。
- 信用リスク(株式や債券の発行元が破綻して、利子や元本が支払われないリスク)
- 金利リスク(金利の変動に伴う債券価格の変動リスク)
- 価格変動リスク(投資対象である株式や債券の取引価格の変動リスク)
- 為替リスク(外貨建て商品の外国為替相場の変動に伴うリスク)
変額個人年金保険は、途中解約した場合の解約返戻金も解約時の運用実績によって違ってきます。運用の結果次第で、払込保険料がどの程度増えているのか(減っているのか)変化するので、解約返戻金も変化します。また、保険機能である死亡保障も、死亡日における運用実績で変化しますが、多くの商品で払込保険料を死亡保障とする最低保証があります。
生命保険文化センターHPより
変額年金保険の支払い保険料については、個人年金保険料控除の対象にはなりません。生命保険料控除の対象となるので、他に生命保険の契約がある場合でも、所得税の所得控除は最高で5万円です。
このように、変額個人年金保険は、運用で保険料を増やすことができる反面、リスクを伴う商品です。契約に当たっては、支払保険料の運用方法や商品のしくみやそれに伴うリスクについて十分に説明を受けましょう。よくわからなかったり、納得できないところがあれば、きちんと確認し、契約する商品のしくみをしっかり理解した上で契約しましょう。
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