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老後資金の準備は確定給付型?確定拠出型?(3ページ目)

老後資金の準備方法として利用されることの多い個人年金。「確定給付型」と「確定拠出型」に分けてご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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バランスが大切!

年金の受け取り方は?


個人年金保険は、年金の受け取り方から以下のように区別することができます。
  • 有期年金、確定年金
    年金受取期間中に被保険者が生存している場合に限り年金が支払われるタイプ(有期年金)と年金受取期間中、被保険者の生死にかかわりなく年金が支払われるタイプ(確定年金)がある。また、有期年金の中にも一定期間、保証期間を設けているタイプのものもある

  • 終身年金
    被保険者が生存している限り年金が支払われるタイプ。ただし、一定期間の保証期間を設けているタイプのものもある

  • 夫婦年金
    夫婦を被保険者として、いずれかが生存している限り年金が支払われるタイプ

個人年金保険は、受取開始の年齢も自由に選択できるので、65歳まで老齢厚生年金が支給されない人(男性は昭和36年4月2日以降生まれ、女性は昭和41年4月2日以降生まれ)や老齢基礎年金のみが支給される人には、65歳までの老後資金として公的年金の空白を埋めることもできます。
 

自分にあった老後資金の準備は?


公的年金の上乗せになる年金については、あらかじめ加入条件が決まっているものがあります。

例えば会社員の場合、勤務先が導入している企業年金制度によって、加入する制度が確定給付型(確定給付企業年金、厚生年金基金など)なのか確定拠出型(企業型確定拠出年金)なのかが決まります。

また、第1号被保険者である自営業者やフリーランスは、任意で確定給付型である国民年金基金と、確定拠出型である個人型確定拠出年金に加入することができます。ただし、両方の制度に加入する場合、1ヵ月の掛金の上限は両制度の合計額で68,000円までと決まっています。

以上のような加入条件が決まっている企業年金や国民年金基金などは、公的年金に近いメリット(保険料や年金の税制優遇措置等)が多いので、自分が利用できる制度は、老後資金の準備としてまず優先的に活用するとよいでしょう。

「リスク許容度」を考える
確定拠出年金に加入する場合は、企業型・個人型を問わず、自分で運用商品を選択しますが、運用商品の中にはさまざまなリスクのある商品も含まれています。リスクの低い元本確保型の商品(定期預金やGICなど)も運用商品の選択肢として用意されていますが、リスクの低い商品では目標額に届かないというケースも考えられます。

そこで、自分で商品を選択する場合に知っておきたいのが、自分自身の「リスク許容度」です。リスク許容度とは、自分がどの程度のリスクまでは取ることができるのかという目安です。

リスク許容度は自分の年齢や家族構成、資産状況、投資経験、運用方針などから調べていきます(詳細は「40代の老後資金準備~運用商品の選択のポイント」参照)。

一般的に、リスク許容度は年齢とともに低くなるといわれています。これは、若いうちは、万一運用が上手くいかなかった場合でも、時間をかけて損失をカバーすることができますが、年齢とともにカバーできる期間が短くなるためです。つまり、老後資産準備を考えたとき、若い人であれば、老後までの時間もたっぷりあるので、一般的にはある程度リスクをとって積極的に運用することができます。ただし、資産状況などその他の要素によってもリスク許容度は変わってきますので、自分のリスク許容度を考えておくと、無理のない商品選択ができるようになります。

また、自由に商品が選べる民間の個人年金保険を利用する場合は、将来の目標額だけで商品を選択するのではなく、保険料の負担や投資リスクをよく考慮した上で商品を選択することが必要になります。例えば、将来の目標額となる年金額を受け取れる個人年金保険に加入して高額な保険料の負担が家計を圧迫してしまったり、高いリターンを狙ってリスクの高い商品だけで老後に備えようすると運用の結果次第で老後資金が準備できない場合もあります。

「分散投資」でバランスよく
そこで、無理のない負担とリスクのバランスをとるために心がけたいポイントは、タイプの異なる商品を組み合わせる「分散投資」の考え方です。
例えば、確定給付型で元本確保の商品と確定拠出型で積極運用の商品を取り入れるといった分散の仕方もあるでしょう。その組合せ割合は自分のリスク許容度を考慮した上で、自分で決める必要があります。

老後資金はだれでもいつかは必要な時期がくる資金です。自分にあった方法でしっかり準備していきましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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