長寿社会には長生きリスクへの備えが欠かせません |
長生きのリスクとは?
本来、長生きをすることはとてもおめでたいことで、日本には米寿や卒寿といった長寿を祝う習慣が古くからあります。昔の日本は高齢になると子どもに扶養してもらうことが当たり前でしたが、現在の高齢者は子どもの援助を当てにする人は少数派で経済的な自立した老後を送ることを望む傾向にあります。このため、自分では老後に備えた蓄えを十分に用意したつもりでも、長生きすることで使い果たしてしまうというリスクが発生し、いわゆる「長生きリスク」となってしまいます。
人生における3つのリスクのうち、長生きして高齢になると前ページで説明した「死亡のリスク」は低下してきます。高齢になれば子どもは独立して経済的にも自立するので、遺族に対する備えは現役世代よりも少額で済むことになります。
一方、長生きによって徐々に高まるのが病気やケガのリスクと介護のリスクです。病気やケガについては、高齢になるほど糖尿病や高血圧などの慢性疾患やがんなど重篤な疾病のリスクも高くなり、治療が長期化する傾向があります。さらに、医療技術の進化が著しいがん治療や心臓治療の分野では、保険診療の対象とならない先進医療による治療を選択すると、自己負担は高額になります。
また、75歳以上の高齢者については、今年4月から後期高齢者医療制度がスタートして医療費の自己負担だけでなく保険料の負担も求められるようになりました。
そして、介護についても長期化する傾向があります。生命保険文化センターの調査によると、家族の介護をおこなった人の平均介護期間は平成10年では33.4ヶ月でしたが、平成19年では45.5ヶ月に伸びています。さらに、10年以上介護した人の割合が平成10年では全体の8.5%でしたが、平成19年では11.8%を占めています。長生きにより介護を必要とするリスクは高くなります。
このような治療や介護の長期化は、経済的な負担も大きくなり、「長生きリスク」つながることが予想されます。
長生きリスクに備えるには?
老後の生活において「経済的に自立し子どもに負担をかけたくない」と考えるなら、長生きのリスクに備えておくことは大切な老後準備です。老後資金として準備した資金を取り崩すだけでなく、運用を続けて増やしながら使っていったり、公的年金以外の収入を確保することも必要です。老後資金をリスクの低い商品、例えば債券に投資するような投資信託で運用したり、個人年金保険に加入して収入を確保するなどの方法で、長生きリスクを軽減する効果が期待できます。また、公的年金の上乗せとしての年金を用意するなら、自営業者やフリーランスには終身保障で公的年金と同様の節税効果がある国民年金基金がお薦めです(国民年金基金のメリット詳細は「自分で年金を増やす!国民年金基金」をご覧下さい)。
会社員の場合は、生命保険や医療保険などを会社の団体扱いで加入している人も多いでしょう。保険料が割安になるメリットがありますが、会社を退職した後も引き続き加入して保障をうけることができるのか確認しておくとよいでしょう。また、会社で何らかの企業年金制度が導入されていれば、2階建ての公的年金(老齢厚生年金+老齢基礎年金)に企業年金が上乗せされます。
自営業、会社員などそれぞれの職業にあわせたリスクの備えを早めにして、長生きしてもリスクのないハッピーシニアライフを送りたいものです。
昔話やおとぎ話でとりあげられることの多い「不老長寿」。平均寿命が世界でもトップレベルの日本では、不老長寿は手の届かない夢物語ではなく、現実のものになっているのかもしれません。経済的にも自立した老後のために、長生きリスクへの備えを早めに準備しておきましょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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