年金/年金関連情報

ねんきん特別便ともらい忘れ年金(2ページ目)

年金制度の現役加入者向けにねんきん特別便の発送が始まっています。ねんきん特別便を受け取った場合の手続きや確認のポイント、ねんきん特別便で見つかったもらい忘れ年金の事例をご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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加入記録を見つけるポイントは?

もらい忘れ年金
~ねんきん特別便で見つかった加入記録

では次に、これまでにねんきん特別便が送られたケースで、新たな年金の支給につながる記録が見つかった例をいくつかみていきましょう。
●年金制度に加入していたことを本人が知らなかった
社会保険庁のHPには、年金制度に加入して保険料を納めていたことを本人が知らなかった事例が紹介されています。
たとえば、20歳になったとき学生だったので、親が年金制度の加入手続きを行い、保険料を納めていたことを本人が知らなかった、というケース例があります。

平成3年3月まで、学生は20歳を過ぎても年金制度への加入が強制ではなく任意でしたが、親が加入手続きをしていた人もいるので、本人が知らない加入期間が新たに見つかることがあります。

また、家業や親戚の事業を手伝っていたという人にも、厚生年金に加入していた期間が見つかった例があります。手伝っていた当時は厚生年金に加入してことを知らなかったのでそのままにしており、ここで新たな加入期間がねんきん特別便により見つかったというものです。

●厚生年金の加入記録が見つかった
結婚後は専業主婦だったので加入記録が国民年金のみだった人が、旧姓で加入記録を検索した結果、結婚前に勤務していた会社での厚生年金の加入記録が見つかった例はとても多くみられます。

また、倒産した会社での加入記録が見つかったり、過去に転職を繰り返していたので年金手帳は1冊だが年金番号が複数存在して未統合の記録が見つかった人もいます。

厚生年金の加入記録は職歴と一致することが多いので、自分の職歴と加入記録を照合して抜けている期間やずれがある場合は、未統合の記録が存在する可能性があります。できるだけ正確に自分の職歴を思い出して、加入記録の確認をしましょう。

●名前の読み違いにより加入記録が抜けていた
普段からよく名前を読み違えられる人(例:「幸子(さちこ、ゆきこ)」「裕(ひろし、ゆう)」等)が記憶にある厚生年金の記録がどうしても見つからず、名前の読み方を変えて記録を検索したところ、未統合の記録が見つかった例もあります。

名前の読み違い以外にも、読み取りを間違えやすいカタカナ(例:「シとツ」「コとユ」等)や濁点(例「タとダ」等)の間違いや名前から性別を間違えて(「ヒロミ」や「カオル」等)別人の記録として管理されていた人もいます。
別な読み方をされる人は特に名前については注意が必要です。

●法律の改正により加入記録が抜けていた
平成14年3月までは厚生年金に加入できる年齢が65歳までだったので、65歳以降仕事を続けていても厚生年金の加入資格を喪失しました。同年4月に法律が改正されて70歳まで加入できるようになったので、仕事を続けているのに65歳で厚生年金の資格を喪失していた人は法律改正により平成14年4月以降厚生年金に再加入している場合があります。
 

ねんきん特別便が届いて再加入後の厚生年金の記録に気がつき、手続きした結果、年金額が増えた人がいます。年金制度の変わり目で記録を見落とす人が多いので、すでに年金をもらっている人は特に注意しましょう。

記録が抜けているためもらい忘れている年金が見つかった例としていくつかご紹介しました。もし、自分にも同じような経験がある場合は、将来の年金額が変わる可能性があるので、ねんきん特別便をしっかりチェックしてください。

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