イギリスの公的年金制度

日本と共通点の多いイギリスの公的年金制度です
イギリスの公的年金制度は、日本の公的年金制度によく似た2階建てのしくみを持つ制度です。

●年金制度の基本的なしくみ
イギリスの公的年金制度は、日本の公的年金制度と同様に被用者・自営業者共通の基礎年金と基礎年金の上乗せとなる被用者を対象とした国家第二年金の2階建てのしくみになっています。1階部分の基礎年金は被用者・自営業者とも一定額以上の所得のある16歳以上の人は強制加入となっています。強制加入の対象とならない低所得の人や無職の人は保険料の納付が免除されていますが、日本の免除制度と違って免除を受けた期間を受給資格の判定に加算することはできません。年金の受給権を取得するためには、任意加入することが必要です。なお、基礎年金の保険料は被用者・自営業者・任意加入者ごとに保険料率が設定されています。

被用者は基礎年金の上乗せとして国家第二年金に加入します。基礎年金の強制加入者は国家第二年金にも強制加入となりますが、職域年金・個人年金といった私的年金の加入を選択した場合は、国家第二年金の加入が免除されます。職域年金や個人年金の加入を選択すると、第1種保険料のうち国家第二年金の保険料に相当する金額が免除されます。
 
【イギリスの公的年金制度】

●年金支給のしくみ
イギリスの公的年金は、老齢年金だけでなく遺族給付や障害給付のしくみを備えています。遺族給付・障害給付ともほとんどが定額給付ですが、日本の公的年金と同様に年金の受給には保険料納付要件などを満たすことが必要です。

老齢年金の受給には、男性が11年、女性が9.75年という最低の加入年数を満たすことが必要になります。この年数は満額の基礎年金を受給するために必要な年数(男性44年、女性39年)の4分の1に相当します。

年金の支給開始年齢も男女で異なり、男性は65歳、女性は60歳です。女性の支給開始年齢は2010年から2020年までの間に支給開始年齢を65歳まで段階的に引き上げられ、その後2024年から2046年にかけて男女とも段階的に支給開始年齢が68歳まで引き上げられる予定です。

年金の支給額は、1階部分の基礎年金は日本の老齢基礎年金のように保険料の納付期間に応じた定額制になっています。満額の基礎年金を受給するために必要な年数(男性44年、女性39年)に対してどのくらいの年数分保険料を納付したかによって年金額が決定します。また、2010年より基礎年金の満額受給できる保険料の拠出期間が30年に短縮される予定です。なお、年金額の見直しは物価スライドで行われていますが、2012年から賃金スライドに変更する予定です。

上乗せ部分となる国家第二年金は報酬比例の年金ですが、低所得者への給付を手厚くするため所得に応じて3段階の計算方法が定められています。さらに、所得の低い世帯に対しては報酬比例ではなく、最低保証の年金額を支給するために定額の年金が支給されます。

最後はドイツの公的年金制度です(次ページへ)