年金/年金関連情報

会社員と自営業期間がある場合の年金は?(2ページ目)

日本の公的年金はおもにその人の職業で加入する制度が決まります。会社員から自営業者に、自営業者から会社員に転職した場合に年金の支給額はどう変わるのか、事例を使ってご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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事例で確認~老齢年金

会社員からフリーランスになると年金はどうなる?
ご案内したように、厚生年金の加入期間のあるフリーランスや自営業者は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給することができます。それでは、事例を使って年金額を計算してみましょう。

【例1】1級建築士のタナカヒロシさんは昭和24年4月20日生まれの60歳、専業主婦の妻のカズコさんは昭和27年6月30日生まれの57歳です。2人の子供は大学卒業後独立し、現在は夫婦2人暮らしです。タナカさんは個人で設計事務所を経営していますが、大学卒業後は民間企業に10年間勤務していました。60歳までの年金加入歴は以下の通りです。
 


タナカさんは老齢基礎年金の受給資格を満たしていて、昭和24年4月20日生まれなので60歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分のみ)を受給することができます。会社員時代の平均標準報酬月額20万円なので、特別支給の老齢厚生年金の支給額は以下のようになります。

20万円×7.5/1000×120月×1.031×0.985=182,800円(100円未満四捨五入)

タナカさんは、独立開業後の国民年金の保険料はすべて納付済みです。65歳から支給される老齢基礎年金の年金額は以下の通りです。
 
792,100円×444月/480月=732,700円(100円未満四捨五入)

タナカさんは厚生年金の加入期間が20年以下なので、加給年金は支給されません。タナカさんが65歳から受給できる老齢年金の合計額は915,500円です。
 

タナカさんは60歳から老齢厚生年金を受給することができるので、年金の請求手続き(「裁定請求」といいます)は厚生年金からになります。通常、60歳になる3ヵ月前に社会保険業務センターから裁定請求書が送付されます。60歳になったら、必要事項を記入して所定の添付書類と一緒に住所地を管轄する社会保険事務所に郵送または持参し、裁定請求手続きを行います。65歳からは老齢基礎年金が支給されますが、老齢基礎年金の裁定請求書(ハガキ形式)は65歳の誕生月のはじめ頃に社会保険業務センターから送付されます。必要事項を記入した後、月末までに郵送します。

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