変動幅・変動額を小さくするには?
今回の例は、証拠金に対して最大のポジションを持った場合です。
買い建て玉(買いポジション)を少なくすれば、変動幅を小さくすることができます。例えば、100万円の証拠金に対して、100万円分の外貨しか買い建てなければ、変動幅は外貨預金と変わりません。また、取引証拠金を10万円程度など少額にすると、取引高が小さくなるため、損失額も抑えることがきます。つまり、自分の保有資金額に応じて、リスクをコントロールすることが大切です(売りポジションも同様)。
スワップポイント
(前出の)電話セールスで、外貨預金の金利と比較して高いといっていたのは、スワップポイントのことです。これは、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売ることにより、その金利差相当分が得られるというものです。例えば「円売りドル買い」では金利差相当額を得られますが、「円買いドル売り」では金利差相当額を支払うことになります。また、為替手数料は外貨預金に比べて低いのが一般的です。(詳しくははじめての投資「外国為替証拠金取引ってナニ?2」)
最低取引単位や維持率など詳細は、各業者によって異なりますので、取引される場合には、内容をきちんと理解した上で行ってください。
金融商品は自動車!?
FXは、為替取引を行なおうとする人にとっては、手数料が安く、24時間トレードが可能になるなど付加価値の高い金融商品ではありますが、これを取り扱うには、高いレベルの金融知識や豊富な経験が問われ、誰もがすぐに行なえるというものではありません。
金融商品での運用は「自動車の運転」と同じです。知識を得て理解し、試運転を行い、ようやく本格的な運転が行なえます。金融商品の内容を理解しないまま、金融商品を購入することは無謀です。「分からない場合には見送る」ということも、リスク管理において大切なことです。リスクコントロールは運用の大基本!と心得て下さい。
なおFXは、現時点では資産の保全制度が確立されていませんので、取引業者の内容についてきちんと見極めておく必要があります(業者によっては資産を保全する仕組みを独自で作っているところもありますので、取引の際には確認してみてください)。
最近FXによるトラブルが急増しており、金融庁では注意を呼びかけています。
金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について~取引者への注意喚起等~
/上野博美