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愛知県中学受験動向(2ページ目)

2010年度の愛知の私立中学受験動向は、世界的な不況の影響もあって受験者が減少。特に、東海、滝、金城学院、南山女子部などの難関校の志願者減少が著しくなっています。一方で、愛知、名古屋、椙山女学園などの中堅校は活況で、合格の可能性が高い安全校受験者がシフトする「安全志向」が見られました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

愛知の中学受験、2010年度は「安全志向」

2010年度の受験動向は、私立中学全体で3,568名の募集に対して、志願者の合計が13,559名(2009年度14,503名)で前年比944名(6.5%)の減少、倍率が3.8倍(同4.1倍)となりました。世界的な不況の影響が今年になって現れてきたようです。

志願者数が一番多かったのが、愛知の1,739名(2009年度1,725名、前年比14名増)、次いで滝の1,612名(同1,821名、前年比209名減)、愛知淑徳の1,274名(同1,207名、前年比64名増)でした。最も倍率が高かったのが、愛知の10.9倍で、次いで愛知工業大学附属の8.1倍、名古屋女子大学の7.8倍でした。

志願者数の内訳を見てみると、「難関校に異変あり」という顕著な傾向が現れています。例えば、金城学院は1,120名から857名へと263名の大幅減、南山女子部も959名から826名へと133名の大幅減となっています。一方で、椙山女学園は734名から937名へと203名の大幅増。確実に合格する可能性を考えて、難関校である金城や南山女子部を敬遠し、合格安全圏の椙山女学園へと受験者が流れていることがわかります。

こうした傾向は、愛知や名古屋が志願者を減らしていないのに対して、トップ校である東海が943名からより875名へと68名の減少、滝も209名と大幅に志願者が減少したことからもうかがえます。総じて2010年度の受験動向は、安全志向が強かったと言えるでしょう。

2010年度の募集定員、志願者数、倍率は次の通りです。

□名古屋地区
■愛知
募集定員160名、志願者数1,739名、倍率10.9

■愛知工業大学附属
募集定員90名、志願者数728名、倍率8.1

■愛知淑徳
募集定員280名、志願者数1274名、倍率4.6

■金城学院
募集定員360名、志願者数857名、倍率2.4

■椙山女学園
募集定員160名、志願者数937名、倍率5.9

■東海
募集定員400名、志願者数937名、倍率2.2

■名古屋
募集定員240名、志願者数1,272名、倍率5.3

■名古屋経済大学市邨
募集定員90名、志願者数154名、倍率1.7

■名古屋経済大学高蔵
募集定員90名、志願者数112名、倍率1.2

■名古屋国際
募集定員120名、志願者数130名、倍率1.1

■名古屋女子大学
募集定員120名、志願者数939名、倍率7.8

■南山(男子部)
募集定員200名、志願者数742名、倍率3.7

■南山(女子部)
募集定員200名、志願者数826名、倍率4.1

□尾張地区
■星城
募集定員80名、志願者数117名、倍率1.5

■聖霊
募集定員200名、志願者数345名、倍率1.7

■大成
募集定員105名、志願者数293名、倍率2.8

■滝
募集定員240名、志願者数1,612名、倍率6.7

■春日丘
募集定員105名、志願者数379名、倍率3.6

□三河地区
■海陽中等教育学校
入試I募集定員70名、志願者数164名
入試II募集定員50名、志願者数138名

■愛知産業大学三河
募集定員80名、志願者数37名、倍率0.5

■南山国際
募集定員80名、志願者数72名、倍率0.9

■人間環境大学岡崎学園
募集定員60名、志願者数29名、倍率0.5

■桜丘
募集定員108名、志願者数90名、倍率0.8

愛知の中学受験制度 >>

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