おいしい話のウラ 注意点
1)元本保証はありません。預けた証拠金は、金の価格の動向によってはゼロになる可能性もあります。ゼロどころか、証拠金不足だからと追加の証拠金を請求されることもあります。
2)金利の高さに目を奪われないこと。日本の預金金利が低いため、「ロコ・ロンドン取引と称する金取引」で発生する金利は魅力的に見えるかもしれませんが、どのくらいの金利が発生するのかは保証されているわけではありません。まして、金価格の動向で損失が出てしまっては、金利分など簡単に吹き飛んでしまいます。
3)金の現物(金ののべ板など)を買うわけではありません。金のことを少し勉強した人ほど、「金はモノだから、価値がゼロになることはない。今は値段が下がっても将来的には値上がりするだろうから、大事にもっておけばいい」と考えてるかもしれません。しかし「ロコ・ロンドン取引と称する金取引」では金の現物は手に入りません。
4)業者は、あなたの味方にはなれない。「ロコ・ロンドン取引と称する金取引」は相対取引であり、あなたが買い手ならば業者は売り手になります。つまり、業者は「取引相手」であり、「あなたが得することは業者の損」「業者が得するためには、あなたに損してもらわないといけない」という関係が成り立ちます。決済タイミングなどを親切にアドバイスしてもらえるとは思えません。
5)金の価格などは業者が任意に設定しています。4の内容とも関連しますが、業者が自分たちに不利な設定をするとは考えられません。
6)あなたから預かったお金を、そもそも投資にあてるつもりのない詐欺師もいます。預けたお金がどのように投資に充てられているのか、あなたには確かめることができません。今回逮捕された投資会社では、預かったお金をラスベガスへの社員旅行などに使っていました。
7)いろいろな名前の投資法があります。金のロコ・ロンドン取引だけでなく、違った名前で勧誘してくることもあります。とにかく、おいしい話には乗らない、欲に負けないことが大切です。
しつこい勧誘を受けた時、契約してしまった時は、相談を!
「ロコ・ロンドン取引と称する金取引」は特定商取引に関する法律の規制対象になっており、不適切な勧誘は禁止され、契約書面の交付が義務付けられています。契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフができます。しかし前述したように、悪質業者は法の目をかいくぐって接近してきます。ひとりで悩んだり金策に走り回ったりしていては、傷口は広がるばかりです。不安に感じたら、各地の消費生活センターや経済産業局などに相談してください。ご家族にも注意してあげてください。
■経済産業省の消費者相談室