額面金額が、利益の「基準」になる
債券の金利は、債券の値段の何%かってこと? だとしたら、値段の高い時に買ったほうが利息がたくさんもらえるってこと? ……いいえ、それは誤解です。「額面金額」という言葉をご存知ですか?(以下は一般的な利付債の説明。個人向け国債はこの通りではありません)。「額面金額」は、償還時(満期時)に返ってくる金額のことで、債券の発行時に決められています。金利は、この額面金額に対して何%という形で示されます。
間違いやすい注意点
初心者の方が混乱しやすいのが、「額面金額は、債券の値段と同じではない」という点です。例えば、額面金額100円の債券が、100円で発行(これをパー発行という)されたり、101円で発行されたり(オーバーパー発行)、99円で発行されたり(アンダーパー発行)します。新規発行だけではなく、過去に発行された債券を購入する場合も、価格はさまざまです。101円で買っても99円で買っても、償還時に返ってくるのは同じ額面金額の100円です。つまり「満期がきたら元本が返ってくる、というわけではない」のです。利息も額面金額が基準になりますので、その債券を安く買おうが高く買おうが利息額は同じです。
下の図は、額面金額も金利も期間も同じ債券を、A子さんは1万円で購入し、B男さんは1万100円で購入した場合の比較です。償還金も利息も同じ額ですが、B男さんのほうが購入金額が100円高かったため、トータルで利益が100円少なくなります。同じ条件の債券なら、安く買ったほうがお得ということです。