今回の最高裁判決、いったいどういうことなのか?

4人に1人が関係! グレー金利に革命・前編
ちょっと難しいけれど、大切なことだから知っておきたい。
「超過利息無効 最高裁初判断」「画期的判決」「借り手保護」「消費者金融・商工ローン業者側『困惑』」「天と地がひっくり返る」・・・。
平成18年1月13日、最高裁の判決を踏まえ、新聞の一面などでこのような言葉が踊りました。消費者金融との利害関係が、あまり強くないメディアとやや限定されてしまいますが、他のメディアでも取りざたされました(スポンサーであったりすると控えがち)。

これって、いったいどういうことを示した判決なのでしょう? 新聞の見出し文句などからは、何だか凄そうであることは伝わってくるかと思いますが、これらに関する知識がまったく持ち合わせていないと、実はけっこう分かりにくい部分も含まれています。

今や4人に1人がこのグレーゾーン金利に関係している状況。お金を借りる・返すガイドの私としては、広く良い意味で“必ず知っていて欲しい”ことであり、金利の高いところを利用しているのに「よく分からない…」で済ませて欲しくはない!というのが本音であり、願いです。
数点ポイントを押さえれば難しいことはありませんし、裁判所のてっぺんである最高裁がこう判断した意味や、裁判所がどういうことを示唆しているのかも理解できるハズです。はじめはちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、分かると非常に興味深いものですので、ぜひゆっくりと読み進めてください。

裁判の背景

まずは、今回の裁判の経緯を大枠でみてみましょう。
「シティズ」(京都市・消費者金融大手「アイフル」グループの事業者ローン会社)が、2000年、鳥取県の男性に年29%の金利で300万円を貸した。返済が滞ったため、シティズは29%で計算した未払金約189万円の一括弁済を要求し提訴した。
同社の主張:「借り手は自分の意思で契約に応じて、超過利息を『任意に(※1)』支払ったものだ」
借り手の主張:「利息を任意に支払ってはいない。払いすぎであり、未払分は109万円では」
とし、争いになっていました。
1審・2審では、「借り手は契約内容を認識し、上限を超える利息を任意に支払ったもの。特約(※2)が超過金利の支払いを強制したとは言えない」と判断し、債務全額(189万円)の弁済を命じていました。それを審理のために差し戻し、最高裁第二小法廷で決着がつけられることに…。といった背景でした。

(※1)関連必須知識 …「みなし弁済規定」

(※2)特約~「期限の利益喪失特約」というもので、分割返済の期日までに利息を支払わないと、残金の一括返済を求められる特約。この特約は、貸金業者のほとんどが設けている。