忍び寄るインチキ専門家
うまい売買の話は、途中で「話が違う!」となる場合も。気をつけよう。 |
その専門家?は詳しい状況や希望もよく聞かず、「売るべきですね。マイナス分はゆっくり月1万円ずつとか払えばいいでしょう。じきに消滅します。そして金融機関がどうしてもうるさいようなら、ご主人がお金を借りてお金を用意しては? 保証人にも影響はしませんよ」と教えてもらったそうです(相談料は掛かりませんが、後日スキーム作成料だかで35000円を請求されたそうです)。
斬新なアイデアと豊富なテクニックが売りらしいその専門家を信じ、関口さんは再度マンション売却を不動産屋さんに依頼しに行きました。
自称専門家なるこの人、インチキもしくは相当の低レベルであることが理解できますか?
まず広く詳しく話を聞かないという時点で、真剣に取り組んでいないことがうかがえますが、現実そうならないことを次々と連発しているのです。
あれっ、話が違う!?
現実そうならないことに気付きだしたのは、不動産屋さんからの「マイナスになる残債務はどうされる予定なんですか? 嫌な時代ですね。いま不動産は資産じゃなく借金になることの方が多い。売って大きくマイナスになるような場合、最悪自己破産する人もいるんですよ」と何気なく問われた会話からでした。関口さんは自信満々に「売って残ってしまった借金でも、今はうまく消す方法があるんですよ。自己破産とかではなくって」と不動産屋さんに言ったのです。もちろん「はぁ?何を言っているんですか」です。さらに「住宅ローンに保証人がいる場合は、その人へ請求もされますし、借りたらそれを払わないといけないでしょ。本当に専門家に相談したの?」と言われたのです。
解決の糸口を探す
その不動産屋さんからの勧めもあり、全体的な返済計画の見直しのために、関口夫婦は私のところへ相談に来られました。詳細を聞いていくと、次のことが分かりました。迷惑を掛けたくない連帯保証人へ残債務の請求がいくこと、仮に親がそれを払ってくれたとしても賃貸住宅の家賃を払えば家計にゆとりはなく自分の責任は果たせないこと、残債は月1万円の支払いでは対処できず、自然消滅する状況ではないこと。次々と明らかになる真実に戸惑いを感じていました。
しかし、家計面や家族状況、これまでの経緯などを広く聞いていくと、良い要素も見えてきました。毎月7万円位の住宅ローンで決して無理がある組み方ではありませんし、奥さんも毎日時間を余し健康であること。何よりできればマイホームは手放したくないのです。
ならばと、私は奥さんがパートなどで月に7万円前後でも収入が得られればかなり家計面が強くなること、そして過去に夫がギャンブルで高利の借金があり、約400万円を親に用立ててもらい“高利のままに”返済したことがあることが気になりました。