離婚! 分割前に年金受給資格をチェック

離婚
平成18年の離婚件数は25万8000組。平成17年より4,000組が減っている。年金分割制度が施行されるのを待って離婚という人も多いとか
離婚や結婚、それぞれのライフステージ別に年金分割についてのチェックポイントをご紹介していきましょう。この記事では、被扶養配偶者を妻として説明していきます(専業主夫などの場合は、妻のところが夫となります)。

そもそも年金分割は、受け取れる厚生年金の計算の基になる「保険料納付記録」を分け合うということ。婚姻期間の納付記録を夫婦で分け合うというもので、年金を受けとる権利や年金そのものを分けるものではありません。つまり、分割を受ける人(主に妻)は、自分自身の年金に上乗せして年金が受給できるということです。

ですので、自分自身が年金受給資格を持っていないと、分割された年金を受け取れません。年金受給資格は、原則として25年以上の加入となります。離婚時に年金加入期間が25年未満の人は、新たに年金に加入して受給資格を得ることが必要になってきます。せっかく分割を受けた年金。もらえないなんてことにならないように!


あくまでも老後の資金として計画を

年金分割というと、慰謝料の代わりと考える人もいるようです。が、これは大きな間違い! 自分が年金を受け取れるようになって、支給されるお金です。分割された年金で当面の新生活を乗り切ろう……なんてことを考えていてはいけませんよ!

前のページでも説明しましたが、分割の対象は「厚生年金」の部分。自営業や農業など国民年金のみに加入している人は、分割するものがありません。まずは、婚姻期間中に厚生年金に加入していたかどうかをチェックしましょう。


年金受給者の離婚:さかのぼっての分割は無理

既に年金を受給している夫婦が離婚する場合、離婚後の年金分割は出来ますが、すでに支給された年金をさかのぼって分割することは出来ません。あくまでも「離婚後」の年金を分割するということです。

また、「振替加算」を受けている人も注意が必要です。年金には配偶者手当のような「加給年金」があります。一定の条件を満たしていればもらえるものですが、妻が65歳となり妻自身の年金が支給されると加給年金がストップされ、代わりに妻自身の年金に支給されるのが「振替加算」です。

すでに「振替加算」を受給している妻でも、離婚後受けることができなくなるかもしれません。この振替加算は、厚生年金に加入していた期間が20年以上あればもらえません。離婚で婚姻期間中の夫の「保険料納付記録」が分割されるわけですが、同時に加入期間も増えたということです。昭和17年生まれの妻だと年額13万円強が支給されています(平成18年度)。これがなくなるのは、かなり影響は大きいですね。


結婚:相手の離婚、厚生年金分割情報はチェック!

離婚の事ばかりを気にしていましたが、結婚の時も注意が必要です。それは、結婚相手の夫が再婚の時。以前の離婚時に年金分割をしていたかもしれません。老後に受取る年金額が少なく、生活設計の見直しを余儀なくされる場合があるかも。年金を受給する段階になって、年金額が少ないと慌てることのないように、年金分割の有無、ある場合はその割合などはしっかりチェックしておきましょう。

また、これらの制度を見ていると、専業主婦というのはかなりのリスクを伴うということもわかりました。妻もしっかりと働いて厚生年金に自ら加入しておくと、夫婦の保険料納付記録も額が増えます。もしも離婚という事態になっても、お互いのダメージを最小にとどめることが出来ますね。


まずは社会保険庁に夫婦の保険記録の問合せを

いずれにしても、離婚をして年金分割を……と思っているのなら、まずは社会保険庁に情報提供をしてもらいましょう。分割の対象となる期間、その間の夫婦それぞれの保険料納付記録、分割割合の範囲などを教えてくれます。このようなデータをもらっておくと、年金を分割した時の具体的なイメージがつかめますね。分割割合によって、どれくらいの差が出るのかもチェックすることが出来ます。

いかがでしたか? 年金制度は複雑なものです。その上にこの離婚における年金分割が重なったので、理解するのが更に難しいものとなりました。また、機会を見つけて年代別、ライフスタイル別ご紹介したいと思います。
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