一世帯の貯蓄1,721万円!
昔から貯蓄好きと言われるが、東京、大阪を抜いて三大都市では堂々一位。 |
愛知万博や新国際空港の開港で活気づく名古屋。その独特の食文化は「名古屋めし」として注目され、名古屋でウケたファッションは「名古屋嬢ブランド」として全国に発信されています。今一番元気な街に暮らす人々、実はお財布も豊かだった!その秘密は・・・。
■名古屋人は貯蓄好き
「名古屋人はしっかり貯める」そんな事を昔からよく言います。トラック何台分もの嫁入り道具、派手な結婚式に、品数の多い引き出物(今は派手ではありませんが、結婚式予算は他都市より高め)。そんなライフイベントに備え、まずお金が入ってきたら貯めるというクセが代々しみついているのでしょう。これは総務省の家計調査の数字にも表れています。貯蓄の中でも金融資産の内訳に注目してみましょう。
地域 | 貯蓄 | 金融資産 | 普通預金等 | 定期預金等 | 生命保険等 | 有価証券 |
全国 | 1,274万円 | 1,213万円 | 197万円 | 537万円 | 375万円 | 103万円 |
札幌 | 865万円 | 836万円 | 138万円 | 328万円 | 311万円 | 59万円 |
東京 | 1,367万円 | 1,304万円 | 279万円 | 527万円 | 338万円 | 160万円 |
名古屋 | 1,721万円 | 1,657万円 | 256万円 | 702万円 | 416万円 | 282万円 |
大阪 | 1,201万円 | 1,143万円 | 194万円 | 454万円 | 368万円 | 127万円 |
那覇 | 513万円 | 493万円 | 85万円 | 214万円 | 183万円 | 10万円 |
データは平成15年度、農林漁家世帯を除く勤労者世帯のものです。
■貯めて殖やす方法
名古屋人の年間収入は、全国平均724万円に対し732万円なのでそれ程変わりません。入ったお金をどうしたのかを見てみると、他の都市に比べ定期預金、生命保険、有価証券の割合が多い事がわかります。つまり・・・
「お金は普通預金より定期に入れて使わない!」
「万一の場合も、保険の保障で安心!」
「貯まったお金は投資で殖やす!」
お金の使い道は、地域性が色濃く出ます。生活環境等で一概には言えませんが、リスクをとらず定期預金が金融資産のメインとなっている地域と、有価証券の割合が多い地域では、やはり有価証券の割合が多い方が金融資産は多いようです。今まで「借金をしない、貯める」の2本立てで殖やしてきた名古屋人も低金利時代にリスクをとる選択をしたところに勝因はあります。
■どうやって貯めたの?
キーワードは「お値打ち」と「もったいない」です。
名古屋人は買い物をする時、無意識にこの商品はバリューか否かを判断します。「安物買いもするけれど、銭失いになるなんてゴメンだわ」という訳で、その値段に見合っただけの価値がなければ安くても買わず、高くても一生もののバッグや、雰囲気の良いレストランでデザートまで充実しているなら「お値打ち」である。という事になります。
嫁入り道具が多いのも、一生もののいいタンスを買えば、安いタンスを買い替えるより「お得」で年を取っても恥ずかしくなく、娘に後々いらぬ出費をさせたくないという親心と、「たんと買うんだでお勉強してちょーよ」(訳:たくさん買いますから、お安くしてくださいね)と値引きを堂々とお願いする事も出来ます。
そして「もったいない」。愛知万博弁当事件はみなさんの記憶にも新しいと思いますが、「ディズニーランドも弁当禁止なんだで、うちの万博もそうしよみゃ~」と主催者が言ったかどうかは知りませんが、会場内で食事をするのはいいけれど、それが家族で行って一日中となったら「もたんがや」(訳:たまらないわ!)という訳です。弁当とお茶を持っていけば、一食分の外食費と並ばなくてはいけない時間を節約出来ます。ケチよいうよりムダが嫌いなのです。
「日ごろからムダなお金は使わない。安くても高くても価値のある物を買う」
次のページでは、この名古屋人お金哲学を実践し結婚までに1,000万円貯めたOL、そして東京と名古屋の人材派遣で働く女性の違いを紹介します。