<トヨタグループ株式ファンドって何?>
リクルートが来春大学卒業予定の就職人気企業ランキング調査では、トヨタ自動車が2年ぶりに1位となりました。業績の拡大期待に加えて、世界を相手に仕事ができる企業として人気を集めたとのことです。また、米経済誌フォーブスの発表によると、2004年の世界の有力企業番付でトヨタ自動車が8位にランク入りしました。最近ではロボットの開発や、2004年3月期の連結純利益が日本企業として初めて1兆円を突破するのはほぼ確実になるなど、 日本の代表企業として注目を集めています。
そこで、2003年11月に登場したトヨタ自動車とグループ企業の株式にだけ投資をする「トヨタグループ株式ファンド」が、日本のトップ企業に投資をする、1万円から手軽に始められるなどの理由から、株式に投資をしたことのある人たちを含めた個人投資家の注目を集めています。
そこで今回は、「トヨタグループ株式ファンド」について考えていきたいと思います。
そもそも投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金を運用して、得た収益を還元する仕組みです。その運用先が、トヨタ自動車とそのグループ企業21社の株式だけなのです。投資比率は、トヨタ自動車が50%でグループ企業50%を基準としています。
確かに、日本のトップ企業ですから倒産する可能性というのはかなり低いと言えますし、倒産が噂される企業に間近の会社に投資するよりも安心感はあります。四半期に一度リバランスを実施しているとのことですが、それはこれらの企業の中だけです。
決算日が11月13日とまだですから分配金の実績がないのでなんとも言えませんが、現在は株式市場の好調な背景などもあり、投資信託の基準価額が特定の期間で何パーセント上がり下がりしたか変動率をあらわす騰落率は過去1~3ヶ月はプラスとなっています。現在の運用がこのまま続けば好調であると考えられます。
しかし、投資対象の多くは自動車などの輸送用機器ですから、多くのセクターに分散して投資するのに比べて偏りがあるのは否めません。景気回復が腰折れとなり自動車の販売台数が低迷したり、現在の水準以上に過度な円高が進行したりした場合は、輸送用機器のセクターの株式が低迷しないとも言えず、そうした場合には、同時にこのファンドも低迷するリスクがないとは言えません。
反面、株式市場が低迷した場合でも、株式市場全体に連動しているわけではありません。ですから、これらの企業の業績が好調であれば、株式市場の低迷をものともせず、意外に好調な結果になる可能性もあります。
車を愛してやまず、トヨタ自動車やその関連企業に投資したいと思っていても、株式に投資するのがどうも不安という人であれば、投資の対象に考えてみるのもよいかもしれません。ただし、現在の株式相場の好調さを受けて今後も好決算となるのか、それとも円高進行の影響を受けてそれなりの決算、もしくはあまりよくない結果となってしまうのか、それとも景気になんて左右されずにわが道をいくファンドとなってしまうのか、は未知数のファンドです。11月の決算でどのような結果を迎えるのか非常に気になるところです。
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