日常で用いるデジタル一眼カメラとは?
一口に日常、と言ってもそれぞれのユーザーによって日常での撮影風景は異なっているはずです。撮影の主たる目的がもっぱら室内での商品撮影であるというのなら、それなりの描写力のあるマクロレンズさえあればボディはなんでもかまいません。この場合、三脚を使用するのであれば手ぶれ補正すら必要ありません。まあ、これは屁理屈のようなもので実際のところは軽量であることが求められるでしょう。日常で使うことを考慮に入れるのであれば、前述のように「楽に取り回し可能」な重量範囲内であるかどうかということを充分に調べるべきでしょう。
軽量さの求められる理由
以前、筆者はソニーのフルサイズデジタル一眼カメラのα900と高画質なツァイス製Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSMを一日中持ち歩いたことがあります。バッテリーなどのコミコミで2キログラムに近くなるセットです。これを持ち歩いて撮影するというのは、ほとんど拷問の世界でした。2リットルのペットボトルを持ちながら歩き、筋トレをするようなものです。
確かにこのセットでは切れのいい画像が得られることが多いのですが、それでも「日常の撮影」にこのセットはないというのが実際の感想でした。さすがにこれは極端な例で、軽量さが求められるとはいえども実際には中級機クラスまでがターゲットになるでしょう。
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手ぶれ補正は室内撮影では必須
日常での撮影にもうひとつ必要なものとして、手ぶれ補正機構が挙げられます。光学式、撮像素子シフト式をいませんが、屋内での撮影を考慮すると必須でしょう。この場合、ボディ内に手ぶれ補正機構を組み込んでいる撮像素子シフト式の手ぶれ補正機構のほうがやや有利といえます。すべてのレンズで手ぶれ補正が使えるからです。
たとえばソニーのαAシリーズは旧ミノルタ、コニカミノルタ時代からサードパーティ製のものを含めて膨大なレンズが資産としてありますが、ボディ内蔵の手ぶれ補正機構であればそれらのレンズすべてで手ぶれ補正機構が有効になるわけです。50mm F1.4や85mm F1.4といった描写力の高い単焦点レンズでも手ぶれ補正が効いてくれるのです。
ただ、多くの場合で日常の撮影であればズームキットに付属してきた標準ズームレンズでことが済ませられてしまうというのも事実ではあります。ボディ内蔵の手ぶれ補正機構がないキヤノン、ニコン、パナソニックのエントリー向けレンズキットに同梱されているズームレンズには、すべて手ぶれ補正機構が搭載されています。
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次のページでは、日常的に使えるおすすめのデジタル一眼カメラをご紹介しましょう。