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短期固定で借りると危ないって本当? 金利上昇期の住宅ローン選び(2ページ目)

住宅ローン金利が上昇気味のときは「低金利のうちに長期固定金利で借りたほうがトク」といわれますが、果たしてセオリーどおりで本当にトクなのでしょうか。

吉山 日出樹

繰り上げ返済で毎月返済額の上昇も抑えられる

とはいえ、前ページ図表1のケースでは3年固定の毎月返済額が7年目から1万円近くアップし、公庫と比べても9000円ほど高くなってしまいます。いくら前半の返済額が軽かったとはいえ、これだけ負担が増えると家計に響くかもしれません。10年目から金利が下がれば負担も軽くなりますが、逆に金利がさらにアップする可能性もないわけではないのです。

そこで毎月返済額の上昇を抑える方法として活用したいのが繰り上げ返済です。繰り上げ返済には繰り上げ後の返済額を低くする「返済額軽減型」というタイプがあるので、金利上昇に合わせて繰り上げ返済を実行すれば返済額の上昇を抑えられます。例えば図表1のケースで3年ごとに100万円ずつ繰り上げ返済すれば、7年目からの返済額も公庫より低いままです(図表2)。

図表2 「3年固定で3年ごとに100万円ずつ繰り上げ返済すると?」


もちろん、繰り上げ返済をするには手元に資金を確保する必要があります。3年で100万円を貯蓄しようとすると毎月3万円近く貯めなければなりません。つまり、それくらい返済に余裕があれば短期固定で借りても金利上昇リスクを回避できるわけです。逆に言えば、返済に余裕がない状態で住宅ローンを借りる場合は、やはり長期固定金利を優先すべきということでしょう。

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長期固定金利は総額で比べよう(AllAbout「住宅ローン」)
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