死亡保障の保険は、主に「夫が万一の時に遺族(妻や子など)が自立して生活していけるように経済的備えをする」ことが目的なので、夫婦が共に働いて家計を支えているような家庭で子供がいるような場合以外は、保険を夫婦で一緒にするという考えは一般的ではありません。しかし、医療保険やがん保険は「病気やケガなどで入院や手術をした時の経済的負担に備える」ための保険です。入院や手術をすることで家計に大きな影響があるならば、夫も妻も備えておくべきで、選択肢として夫婦別々の保険もあれば一緒の保険もあります。
では、夫婦の医療保障はひとつの保険にまとめた方が良いのでしょうか?それとも別々の保険にした方が良いのでしょうか?それぞれの場合の特徴についてみていきます。
夫と妻の医療保障を一緒にした場合
夫と妻の医療保険は一緒?別々? |
医療保険や医療特約の本人型ではなく、夫婦型(または配偶者特約付きなど)で、夫の保障と妻の保障をひとつの保険にした場合です。
※保険商品によって取扱いは異なりますので、詳細については必ず保険会社のパンフレット等で確認して下さい。
■メリット
- ひとつの保険で済むため、加入の際の手間(記入の量など)が若干減ります。保険証券もひとつなので保管の煩わしさも若干減ります。
- ひとつの保険に2人で加入するので夫婦の一体感が生まれます。(夫婦にとって大事なことだと思います)
- 保険料払込免除の設定がある場合、夫がもし先に死亡した場合、その後の保険料支払いが免除され、保険料を支払わずに妻の保障は残ります。(死亡時期によってはかなりの負担減になります)
- 契約者である夫が保険料の支払いや諸手続きをしてくれるので、妻にとっては幾分気が楽です。
- 保険料払込免除の設定が無い場合は、夫がもし先に死亡した場合、その後の妻の医療保障がなくなります。(平均寿命や夫婦の年齢差から、妻にとっては遠い将来、一人で生活していかなければならないことが十分に考えられます。その時に医療保障が無くなってしまうことは避けたいものです。)
- 夫の保障が「主」、妻の保障が「従」の関係で加入した場合、将来環境の変化によって保障内容の見直しをする時に、夫の保障だけやめる(主を無くして従のみ残す)ことはできません。保障を減らす場合でも、夫のみ減らすことは難しいと言えます。この場合は、同じ割合かまたは妻の方を多く減らす必要があります。このように妻の保障内容には制約があります。
- 当然ですが夫の保障と妻の保障は同じ保険会社の同じ保険商品になります。医療保険やがん保険は、保険会社によって男女の保険料設定の仕方に違いがあり、男女共に同じ保険商品が最適とは限りません。詳しくは「保険料は男性と女性で同じとは限らない!!」で取り上げています。
- もし将来離婚した場合、その段階で妻の保障がなくなります。(ひとつの医療保険に加入する事が可能な男女は夫婦と親子のみです。離婚した男女や、恋人・愛人等とひとつの保険に加入することはできません。)
※医療保険や死亡保険で、第三者(親族以外)に保険をかけたり、第三者(
では次に夫と妻の医療保険を別々にした場合をみてみましょう。