医療保障が注目を浴びているが…

長生きへの不安や家族のあり方の変化もあって医療保障が注目され、保険会社等が競って新しい医療保障の商品(医療保険やがん保険等)を発売するようになりました。

そして、各社は他との差別化を図るために、多くの保障を用意したり他にはない新たな保障を開発したりして、商品の魅力が増すような努力をしていますが、結果として商品内容が複雑になってきています。

通院保障においても、入院患者が減少傾向にあることから入院保障だけでなく通院保障も付加を希望する人は多いですが、保障内容が商品ごとに異なるので理解しづらいです。中には病院へ行っただけで給付金を受け取れると思っている人もいるようです。後で困らないよう、通院保障の内容を今一度確認しておきましょう。

医療保険は通院だけでは何も保障されない

一般的な医療保険は、病気やケガで入院・手術をした場合に入院・手術給付金を受取れる保障内容になっているので、通院しただけでは給付金を受け取ることができません。もし通院の保障を必要とするなら、通院保障特約を付ける必要があります。

しかし、医療保険に付加できる通院保障は、入院給付金保障の対象となる入院をすることが前提で、その前後に通院するような場合に保障されます。つまり、風邪を引いたから近所の病院へ行って診察してもらっただけのような、入院を伴わない通院は保障の対象になりません。

医療保険の通院保障例(入院が前提)

医療保険の通院保障例(入院が前提)


ただ、中には入院を伴わない通院でも給付金を受取ることが可能な医療保険もあります。

医療保険の通院保障例(入院なしでも受け取り可能)

医療保険の通院保障例(入院なしでも受け取り可能)


今後は入院の有無に関係なく給付金が受け取れるような通院保障が増えていきそうです。期待しましょう!

共済は事故での通院のみ保障対象の場合もあり

共済にも通院の保障があり、病気やケガで入院した時の入院前後の通院を保障対象としている共済もあれば、事故を原因として通院した場合だけ保障の対象としている共済もあります。

共済の通院保障例(病気も保障対象)

共済の通院保障例(病気も保障対象)


共済の通院保障例(病気は対象外)

共済の通院保障例(病気は対象外)


事故が原因のみだと、病気の治療を目的で通院をしても、入院の有無に関係なく通院共済金を受取ることはできません。保障内容は共済によって異なるので、加入している(加入しようとしている)共済がどのような保障になっているか十分に確認しておく必要があります。

傷害保険は事故・ケガの通院が補償の対象

傷害保険は損害保険会社の主力商品のひとつであり、ケガについての通院は多くの傷害保険で補償の対象になっていますが、病気が原因での通院は一般的に補償の対象になっていません。

傷害保険の通院保障例(ケガのみ)

傷害保険の通院保障例(ケガのみ)


ケガの場合は入院を伴わない通院でも補償の対象になっているので、趣味がスポーツのような人には必要度の高い保険と言えそうです。

がん保険は通院だけでも保障される場合が多い

がん保険は保障対象を「がん」に限定していることもあって、入院を伴わない通院でも保障対象としている保険が、医療保険よりも多いです。

がん保険の通院保障例(がんのみ保障の対象)

がん保険の通院保障例(がんのみ保障の対象)


最近はがんの治療方法が多様化し、通院による治療がかなり増えてきています。がん保険もそれに合わせて、治療方法を選ばない一時金保障(がん診断給付金等)や、通院治療(入院なし)でも給付金を受け取れる通院保障等を備えたがん保険が増えています。ただ、通院保障も治療目的が前提であり、検査や薬を受取るだけのような通院は一般的に保障の対象になっていないので、注意が必要です。

そもそも通院に保障は必要なの?

保障は何でもあるに越したことはないですが、タダで保障してくれるわけではありません。本当に必要かどうかを加入する前に十分に見極める必要があります。
  • 通院の保障を付けると、将来通院した時にいくらぐらいもらえそうなのか?
  • 通院した時に通院給付金をもらわないと生活が困窮してしまうのか?
  • 通院の保障がイメージしていた内容と違っていないか?
  • 通院保障のある商品を選ぼうとして他の保障を犠牲にしていないか?
  • 他に代わりになる保障が何かないか?
  • 加入している他の保険と保障内容が重複していないか?
  • 公的な制度や勤務先の制度で足りるのか?足りないのか?
医療保険での通院保障は、入院治療して退院した後の通院を保障するような内容が中心となっています。入院するとなると仕事や家事をあきらめて病院でおとなしく治療に専念することができますが、退院後の通院となると、なかなか通院する時間を取れないのが現実ではないでしょうか。

がん保険では通院の保障を重視した商品が増えてきています。がん治療による入院日数は短期化傾向にあり、入院して治療するよりも通院による治療の方が増えてきているからです。

通院の保障内容は保険商品によって異なり、保障される要件もいろいろあります。通院の保障を付けることで安心できるなら付けておいた方が良いですが、保障内容がイメージと違っていないか十分に確認する必要があります。貯蓄で十分カバーできる程度の保障であれば、貯蓄で備えておいた方が良いかもしれません。

※通院保障の詳細については、各保険会社や共済等に直接確認してください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。