TOEICだって万能じゃない

掲載日: 2001年 12月 19日

TOEIC満点で英会話力ゼロ!?

文章:中田 達也(All About「TOEIC・英語検定」旧ガイド)
【連載】 「TOEICだって万能じゃない!」シリーズ
第1回 TOEIC満点で英会話力ゼロ!?
第2回 小手先のテクでハイスコアをとる
第3回 私は留学してスコアが下がりました

昨今の日本では、TOEIC・英検・TOEFLなどの資格試験で英語の実力を測ることが一般的になっております。外資系企業の中には、TOEICスコアで就職希望の学生の足切りをするところがあるといいます。TOEICのスコアが一定の基準に達していないだけで、企業は学生に面談の機会さえ与えてくれないのです。

しかし、「TOEICスコア=その人の英語力」という図式は本当に正しいのでしょうか?。TOEICに限らず、英検・TOEFL等の英語検定試験は、受験者の英語力を正しく反映しているのでしょうか?。筆者はそうは思いません。

例えば、TOEIC・TOEFL対策専門校を主宰されるA先生は、「私はTOEFLではコンスタントに高得点を取る自信はあるが、英会話はそれ程得意ではない」という旨のことを著書の中で公言されています。また、私はTOEICで満点の990点を持ち、TOEIC指導専門校を主宰されるB先生と英語で話す機会があったのですが、その方の英語は申し分なく流暢、と言える程のものではありませんでした。別の資格試験専門校のC先生は、「TOEIC925で英会話力ゼロ!?」と題した講演会をなさっていました。

以上の例から判るように、「資格試験での高得点=高い英語力の証明」という図式は成り立たないようです。それでは、英語検定試験が、受験者の英語力を正しく反映することが出来ないその理由は何なのでしょうか?。

1、資格試験で測定できる能力は限られている

 まず、資格試験で測定できる能力が限られている事が挙げられます。一般的に、英語の技能は「読む(リーディング)」・「聞く(リスニング)」・「書く(ライティング)」・「話す(スピーキング)」という4技能で成り立っている、と言われていますが、これら全てを評価の対象とする英語検定試験はほとんどありません。以下に、日本でメジャーな4つの英語検定試験で評価の対象となる技能をまとめます。

測定する技能
TOEIC リスニング リーディング グラマー
TOEFL リスニング リーディング ライティング グラマー
英検 リスニング リーディング ライティング(1級のみ) スピーキング(3級以上のみ)
国連英検 リスニング リーディング ライティング(B級以上のみ) スピーキング(B級以上のみ)

上記の表から明らかなように、現在注目を浴びているTOEIC試験は、リスニング・文法・リーディング問題という3つのタイプの問題しか出題されません。ゆえに、TOEIC試験では、「ライティングとスピーキングは苦手だけど、リスニングとリーディングは得意」な人は、「リスニングとリーディングは苦手だけど、ライティングとスピーキングは得意」な人よりも英語力がある、と判断されてしまうのです。

このような批判に対してTOEIC運営委員会の反論は?次のページへ!


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