家族の会話がなくなり、気持ちがバラバラに離れてしまったのはなぜ?
会話がない家庭は、常に静まりかえっている
結婚当初はどんなことでも話し合っていた夫婦が、いつの間にかお互いに話しかけなくなる。子どもたちが会話に参加しなくなり、部屋から出てこなくなる。家族で食卓を囲んでも会話が続かず、テレビを眺める時間だけが増えていく。それどころか、最近では同じ時間に食卓を囲むことをなんとなく避けてしまう……。気がつくと、家庭がこのような雰囲気になっていませんか?
たしかに、家庭の雰囲気は時を重ねれば落ち着いていくものです。とはいえ、同居しているのに顔を合わせたくない、お互いになるべく話をしようとしないというような関係になっているなら、見直すべき点が潜んでいるのかもしれません。
<目次>
暮らしの中で薄れがちになる家族への尊敬の念
外ではシャンとしているのに、家庭ではゴロゴロ。ゆるんだ姿に家族から浴びせられるのが「気遣いのない口グセ」
家族に対して「気遣いのない口ぐせ」を浴びせてしまうのは、生活を共にしているうちに、相手への尊敬が薄れてしまったせいなのかもしれません。
外ではちゃんとしている人でも家では気がゆるみ、ゴロゴロしたりするものでしょう。家庭は、疲れた羽を休める憩いの場所なのですから、もちろんそうした姿を見せあってもいいのです。とはいえ、ゆるんだ姿ばかりを見せていると、家族の尊敬の気持ちは薄れ、「気遣いのない口ぐせ」を浴びせられるきっかけをつくってしまうことがあります。
とはいえ家族であっても、気遣いのない言葉をかけられれば嫌な気持ちになりますし、深く傷ついてしまうこともあります。その積み重ねが家庭の雰囲気を重くし、会話のない家庭になる原因をつくってしまうこともあるのかもしれません。うっかり放った一言から家族の関係に溝を作らないためにも、言葉に配慮することはとても大切です。
家族との関係が悪くなってしまう4パターンの口ぐせ
何気ない一言が、家族関係に亀裂を生むことも
家族などの近しい間柄の人に、思わず発して傷つけてしまう「気遣いのない口ぐせ」の代表的なものには、次の4つがあるでしょう。
1. 否定の口ぐせ
相手の思いをしっかり受け止める前に、相手の考えや行動を否定する。
例:「やめておけ」「意味がない」「そんなの無駄だ」「くだらない」
2. 決めつける口ぐせ
根拠なく、一方的に決めつける。
例:「お前には無理」「それをやっても意味がない」「できるはずがない」
3. 中断する口ぐせ
最後までしっかり聞かずに、会話を一方的にやめてしまう。
例:「あ、そう。わかった」「もういいよ」「なにそれ」
4. 馬鹿にする口ぐせ
できて当たり前だと思っていることを、相手ができないと馬鹿にする。
例:「このくらいのことができないの?」「そんなの誰でもできるよ」
近しい間柄こそ、こうした「気遣いのない口ぐせ」を何気なく発してしまうもの。しかし、言われた側は一方的に否定され、軽視されているように感じてしまいます。繰り返されると、家族への愛情や信頼、期待が薄れてしまいます。
家族の会話復活の方法は?チャンスは何度も訪れている
小さなイベントから家族関係が回復することも
家族の心の溝が深くなると、素直な気持ちで向き合えなくなってしまうものです。
しかし、そこは一緒に人生を歩む者同士。ひょんなことから再び話し合ったり、困難を分かち合ったり、笑顔や涙を交し合ったりする場面も訪れるでしょう。
そのきっかけは、冠婚葬祭、子どもの進学、就職、引越しなどのライフイベントかもしれません。ペットや新しい友人との出会いかもしれません。旅行やレジャーなどのもっと身近な生活上のイベントかもしれません。いずれにしても、一緒に歩んでいれば、家族の関係が改善するチャンスは訪れます。要は、そのチャンスに気づき、それを生かせるかどうかなのです。
温かみのある家庭にするために心がけたい3つのこと
家族の関係が改善するチャンスを持てたら、3つのことに気を配りましょう。1. 「気遣いのない言葉」を発しないと心に決める
言ってしまってから、「あれは照れ隠しだったんだよ」「気を引きたくて言っただけなんだよ」などと言い訳しても、あまり効果はありません。どのような理由であれ、気遣いのない言葉をかけれたら人は傷つくのです。「自分もそう言われたら、良い気分がしないだろうな」と感じる言葉は、絶対に言わないようにしましょう。もし言ってしまったときには、「失礼なこと言ってごめんね」とすぐに謝りましょう。
2. 相手の言うことを最後までしっかり聞く
相手の言うことを最後までしっかり聞きましょう。相手の発言について共感できなくても、「なるほど、そういう気持ちになることもあるんだね」といった気持ちで受け止めることです。自分の意見を伝えたいときには、相手の話が一区切りついたところで伝えればいいことです。「しっかり聞いてもらえた」という思いが増えれば、信頼の気持ちは再び生まれてきます。
3. 「不愉快だ」「傷ついた」という思いは、できるだけその場で伝える
話をする側が、相手から気遣いのない言葉を言われて傷ついたときは、その気持ちをできるだけその場で伝えることも大切です。あとから注意しても、「そんなこと言ったっけ?」と言われてしまうかもしれません。「家族なのだから、何も言わなくても傷ついていることをわかってほしい」と期待しても、無理なことが多いものです。相手を責める言い方ではなく、「そういうことを言われるとつらくなるんだ」というように、自分の素直な気持ちを「私」を主語にした言葉で伝えるようにしましょう。
これらの3つのポイントを押さえて会話をすると、家族の関係が徐々に温かいものになっていくでしょう。ぜひ、試してみていただければと思います。
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