がんになりやすい性格があるって本当?
がんになりやすい性格とは? 「タイプC」というストレスをためやすい性格
その本によると、彼らは150人以上のメラノーマ(悪性黒色腫)患者を面接し、その約4分の3に次のような共通の性格的特徴があることを認めました。
1. 怒りを表出しない。過去においても現在においても、怒りの感情に気付かないことが多い。
2. ほかのネガティブな感情、すなわち不安、恐れ、悲しみも経験したり表出したりしない。
3. 仕事や人付き合い、家族関係において、忍耐強く、控えめで、協力的で譲歩を厭わない。権威に対し従順である。
4. 他人の要求を満たそうと気をつかいすぎ、自分の要求は十分に満たそうとしない。極端に自己犠牲的になることが多い。
『がん性格 タイプC症候群』より引用
テモショックは、アメリカ人医師のフリードマンとローゼンマンが定義した「タイプA性格」(闘争的、仕事熱心、苛立ちやすい性格。虚血性心疾患のリスクを高める)、タイプAと対極的な「タイプB性格」(感情を素直に表現でき、リラックスしてうまく付き合える性格)と比較し、このがんのリスクを高める性格を「タイプC性格」と定義しました。
タイプC性格の人がストレスをためやすい理由
タイプC性格の方は、自分の不快な感情に気付かず、ストレスをため込んでいることがある
テモショックの説によると、タイプC性格は、人付き合いによって非常にストレスをためやすい面があります。
たとえば、タイプC性格の人はつらい立場に置かれたとしても、不快に感じていることすら自覚していません。自分の気持ちを後回しにし、他人のやりたいことや意見を優先させ、その場の雰囲気がうまく収まるように接します。
闘争的なタイプA性格と違い、いつも雰囲気良く接し、人間関係のトラブルを起こすことは少ないのですが、素直な感情を心の奥で抑圧し、感情を解放できないでいるため、ストレスは無意識のうちに蓄積してしまいます。それが身体の免疫機能に影響し、がんのリスクを高めると考えられています。
抑圧した感情を解放し、本音に気付くことが大切
みなさんも、悲しみや失望を感じたときに、素直な感情を呑み込んでしまうことはありませんか? 周りを暗い雰囲気にしないように、無理に明るくしたりしていませんか? そのことにより、どこか疲れがたまっていませんか? 周りに配慮し、雰囲気を壊さないようにするのは、やさしい心の持ち主だからだと思います。ですが、そうしたことの積み重ねが、自分の健康を蝕んでしまうかもしれません。上述のような特徴に気付いたら、自分の心を大切にしましょう。たとえば、ひどいことを言われたり、困難な状況に立たされたときには、「ひどい」「つらい」「不安だ」という自然な心情が湧きあがるものです。
でも、タイプC性格の方は、ネガティブな感情を感じないように、無意識のうちに蓋をしてしまいます。そうして素直な感情を抑圧していると、いずれは心身の健康を蝕むほど、ストレスが蓄積してしまうこともあります。
ぜひ、ネガティブな感情を少しでも感じたときには、自分とじっくり対話してみてください。なぜその感情が湧いたのか、その感情が自分に求めていることは何か、考えてみることです。
一人ではうまくいかないかもしれません。そうした場合、カウンセラーなどの話しやすい人と一緒に自分の感情を解きほぐしながら、抑えてきた感情に気付いていくのも一つの方法です。
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