基本を学ぶ! 包丁の使い方と野菜の切り方
覚えておきたい調理の基本
知っておきたい料理の基本と基礎知識。今回紹介しますのは、「包丁の使い方」「素材の基本の切り方」「野菜の飾り切り」をご紹介します。
<目次>
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包丁を使うときの姿勢
家庭の主婦がそこまで覚えなくとも、と思われるかもしれませんが、これは慣れれば出きるとかじゃなくて、 最初から心積もりがないとできない事なので、是非、これを機会に、習得していただきたいと思います。
- まな板に向かうときは、身体を調理台から10㎝くらいはなし、右足をこころもち後ろにひいた姿勢をとり 、腰を少しひいて力をいれ、上体を安定させる。
- 両腕は、肩の力を抜き、自然に前に出して切る作業をする。その時、まな板の上の左手は、 切られるものが動かないように、手の平と指を丸めて材料を押さえ、中指の関節に包丁の腹を当てる。 左手をずらしながら、切り幅を調節し、切り進める。左手首はなるべく下げて、まな板につけるようにすると安定する。
- 目は常に切る材料を見つめる。調理台によりかからない。
包丁の持ち方
1.軽く握りこむ一般的な持ち方で、親指、人さし指、中指で、包丁の柄の付け根部分をしっかり持つ。
切る時はスーッと向こうへ押すようにする。
2.強く握りこむ
硬い素材を切るときの持ち方。柄のやや後方を持ち、手の平全体に力を入れて握りしめ、 目標を定めて打ち下ろす。魚のアラなどを切る時の握り方。
3.人さし指をかける
包丁の刃の背に人さし指を添える持ち方で、刃先の方向が定まり固定される。刺身のそぎ切り、食パン、肉を大きく薄く切りたいとき、やわらかいもやすべりやすいものを切るのに、手前にひきかげんに使う。
包丁の動かし方
一般的に、魚や肉は引き切りといい、包丁を手前に引いて切り、野菜は向こう側に押すようにして切る。皮を剥くときは、右手を動かすのではなく、左手で材料を右に回し、剥けた皮を右手の親指で、右へと送り出すようにする。
切り方の要領
材料は充分洗ってから切ること。繊維<すじ>にそって切ると形はくずれないが、食べるとかたい。反対に繊維にさからって切ったものはくずれやすいが、柔らかになる。
また、野菜をシャキッとさせたいなら、繊維に直角に、しんなりさせたいときは平行に切る。このように、料理に合わせた切り方を考えなければならない。
野菜の基本の切り方
1. 輪切り 大根など円筒形(丸い棒状)の素材を、そのまま巾狭く切っていくと輪切り、巾広く切ったものを筒切りという。2.半月切り 円形のものを真半分に切ったのを半月切り。切り方は、筒切りにしてから縦半分にし、端から切っていく。
3. いちょう切り 半月切りの半分。円筒形の物を、縦四つ割りにし、端から一定の厚さに切る。いちょうの葉に似てるところからいちょう切りという。
4. 地紙切り いちょう切りの先端部分(とんがってる部分)を切り落としたもので、扇に貼る地紙に似ているので地紙(じがみ)切りという。地紙筍などがある。
5. 小口切り 長ネギやきゅうりのような細い材料を、端から筋に直角に同じ幅に切ることで、厚さは用途によって変える。切り口が木を切った時の木目に似ているので「木口切り」とも書く。フランス料理Emince(エマンセ)
6. 斜め切り 円柱状のものを、端から等間隔に斜めに切っていく切り方。長細い長ネギ、牛蒡、きゅうりや、茄子やさつま芋を天ぷらにする場合にもよく使われる。
7. 乱切り 形の不ぞろいな材料を、まわしながら切っていき、大きさを揃えたもの。牛蒡や人参を、煮物や具沢山のお汁にする時等に用いられる。
8.ぶつ切り 長ネギのような細いものを端から適当に切るときや、肉や魚を、形にこだわらずコロコロに切ることを、ぶつ切りにするという。
9. ザク切り 主に野菜をミキサー等に入れてジュースにするときや、野菜炒めにするときにザクザク切るからザク切り。
10. 千切り 線のように細く切ったもの。フランス料理ではJulienne(ジュリエンヌ)、中華は絲(スウー)
11. 千六本 せん切りより太めの、マッチの軸程(2mm)に切ることで、大根を味噌汁の具にする時によく使われる。他にきんぴらなど。
12. 拍子木切り 大根を例にすると、最初に3~5cmの輪切り(筒切り)にし、0.7~1cm幅に切り(厚い短冊形)、さらに縦に棒状に切り、拍子木のような形にする。フライドポテトもこの切り方。
13. 短冊切り 短冊のように長方形に切ることで、繊維に沿って厚さ2ミリくらいに薄く切る。ウド、大根、人参等に用いられ、和え物、サラダ、炒め物等に適している。
14.色紙切り 色紙のように正方形に薄く切ったもの。短冊切りが長方形でこちらは正方形。
15. さいの目切り サイコロ状に切ったもので、拍子木切りの端を揃えてさらに1cm巾に切る。1.5~3cm位のものを角切り、それ以下は「あられ切り」、もっと小さいのが「みじん切り」になる。又、数倍の大きさのものをやっこ(奴)という。
16. あられ切り さいの目切りの小さいバージョン。もっと細かく刻むとみじん切りになる。
17. みじん切り 一度せん切りにして端から細かく刻む。餃子の具などを切るときに使われる切り方。玉ネギの場合は、縦半分に切り、縦横に切り込みを入れて刻む。2~3mmと大きいものは粗みじんと呼ばれ、薬味やソースなどに使われる。
18.面とり 切った野菜の角を薄くそぎ取ることをいい、大根、人参、かぼちゃ、じゃが芋などを主に煮物用として用いるときにほどこす。
19. くし形切り トマトや玉ネギ、ナスなど丸い素材のヘタを落とし、放射状に切る。
20. 針切り 煮物などの天盛りにされる針生姜や針柚子などの切り方。薄くスライスし、ずらして重ね、針のように細く切る。
21. 白髪ネギ ネギを長さ5~6cmに切り、縦に中心まで切り目を入れ、開き、芯をのぞき、繊維に沿ってせん切りにし、水に放ち、パリッとさせる。
22. ささがき 牛蒡の場合、細い方から鉛筆を削るように包丁でそいでいき、太くなったら縦に数本切り込みを入れてそぐ。
23. シャトー切り フランス料理の切り方で、じゃが芋や人参に用いられることが多い。面取りの一種で煮崩れを防ぐ。シチューやグラッセに向く。
24. 八方むき 栗、芽つきくわい、里芋などの皮をむくときに用いられる飾り剥き。栗は四方を剥くのだけれど、八方という。
25. 薄切り よく使われる切り方で、ごく薄くスライスすることをいう。
26.大根の桂むき 大根を10cm程に切り、皮を剥く要領で、薄く長くぐるぐる剥いていったもの、それを繊維に直角にせん切りにしたものが刺身のけん(ツマ)。桂むき⇒フランスRuban(リュバン)
野菜の飾り切り
1.花形切り 円筒形の材料を五角形にし、まわりに切込みを入れ輪切りにし、丸みをもたせて花のように切ったもので、大根、人参、レンコン等に用いられる。写真は、更に表面を、中心に向かって切り込みを入れ、斜めにそぎ取り「ねじり梅」にしたもの。■関連記事
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2.矢車切り 人参などの、円筒形の材料に斜め切り込みを入れて、切り込みに沿って削り取っていき、端から薄くスライスする。
3. 花切り 茹で玉子やキウイフルーツ、ミカン等に使われる切り方で、外側にナイフを入れていく角度の違いで印象が変わる。
4.菊花切り 下の部分を切り離さないように、縦、横に細かく切り込みを入れたもので、菊花カブや菊花豆腐などがある。包丁の前後に竹串や割り箸を置いて切るとよい。実際は包丁の側面に沿って、右手の親指を下ろし、調節しながら切る。
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5.松葉ゆず ゆずの皮を薄く剥き、小さい長方形にし、松葉のように切ったもの。写真のように互い違いに切って絡ませたものを、折れ松葉という。
6.末広切り 拍子木切りや半月切りを長さ4~5cmに切り、切り落とさないように縦に包丁を入れ、押し広げたもの。天ぷらの茄子やキュウリの飾り切り等に使われる。
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7.扇面きゅうり キュウリの飾り切りによく使われる切り方で、末広切りしたものを、塩水に少し漬け、しんなりさせてから、枝を折り曲げて差し込んで作る。真ん中を数本立てたり、一枚おきに曲げたりで、色々な形になる。「のしきゅうり」ともいう。
8.蛇腹きゅうり きゅうりを塩で板ずりしてしんなりさせ、下を切り離さないように斜めに細かく切り目を入れ、裏返して同じように切る。くねくね蛇のようになるので蛇腹切り。塩水に漬けて食す。
9.切り違いきゅうり きゅうりを3~4cmほどに切り、真ん中にナイフを差込んで切り目を入れ、包丁で裏表を互い違いに切る。
10.桔梗きゅうり きゅうりの端を五面に切り落とし、面に沿って深く切り込みを入れ、ねじって取る。お造りのワサビ入れ等に。
11.花切りトマト トマトをくし型に切り、寝かせて、皮を半分ほど剥くように、包丁を入れる。
12.花切りラディッシュ まずはトップに十字の切れ目を入れ、側面を少し切り取り、上から皮を剥くように、包丁を入れ、花のように広げる。他に、皮の2/3ほどを切り離さないように剥いていくだけの簡単な飾り切りもある。
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13.長ネギの飾り切り 長ネギを15㎝長さに切り下を数センチ残して、縦に細く切り、水に放つ。鍋物などの飾り用に使われる。
14. よりうど 桂剥きにしたものを斜めに細く切り、水に放ち、くるくる巻いて形を作る。うどや人参に用いられ、切ったものはサラダや和え物、あしらい等に使われる。
15. 投網 桂むきにした大根をクルクル巻いて、折り紙の要領で交互に切っていき、そっと広げる。魚の活きづくりなどに飾られる。
16. 結びレモン レモンを半分に切り、皮の淵をひも状に剥いて行って結ぶ。
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