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立山黒部アルペンルートの絶景スポットまとめ! 秋の紅葉・黄葉をいち早く楽しもう

北アルプス連峰を貫く山岳観光ルート、立山黒部アルペンルートは、秋の紅葉・黄葉をいち早く楽しめるスポットの一つ。さまざまな場所で雄大な立山連峰、後立山連峰の山々が色づく絶景を間近で見ることができますよ!

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

美しい紅葉・黄葉を立山黒部アルペンルートで先取りしてみませんか?

大観峰から眺める紅葉(4)

街より一足早く色づく紅葉・黄葉の中を進む立山ロープウェイ(2013年10月5日撮影)

秋の旅で楽しみなものの一つが、実りの秋に代表されるおいしいものと、山や街を美しく彩る紅葉・黄葉。

紅葉・黄葉は、周囲の気温が下がることで木々が色づくため、北は北海道から紅葉前線が南下を始めていきますし、また標高の高い山から盆地、そして平地へと紅葉前線が下りていきます。ということは、秋の声に誘われて紅葉を見たくなったら北に向かうか、高い山に行くのが手っ取り早いことになりますね。

そんな紅葉の鑑賞を先取りしたいという人におすすめなのが、今回ご紹介する立山黒部アルペンルート。標高3000メートル級の山々が連なった北アルプス連峰を東西に貫く日本有数の山岳観光ルートでは、いろいろな場所で雄大な立山連峰、後立山連峰の山々が色づくさまを間近で見ることができますよ。
 
<目次>

黒部ダム:迫力のダムと立山のコラボ!

黒部ダム(1)

黒部ダム展望台より、黒部ダムと立山連峰を眺める。
立山連峰はうっすらと色づいていました(2013年10月5日撮影)

立山黒部アルペンルートのハイライトの一つ、黒部ダムGoogleマップ)。1963年に完成後、関西方面への電力供給に活躍すると共に、黒部川が刻んだ急峻な地形の元に作られたダムのダイナミックなフォルムに魅せられて、たくさんの観光客が訪れています。
 
黒部ダム(2)

黒部ダム展望台から黒部ダムと黒部湖を望む(2013年10月5日撮影)

黒部ダム駅から220段の階段を登った所にある黒部ダム展望台からは、黒部ダムを見下ろせると共に、天候に恵まれれば立山連峰の山々を望むことができます。
 
黒部ダムから望む紅葉(1)

黒部ダム展望台から立山連峰の主峰・雄山にズームイン。
急峻な尾根と共に木々が色づいていることがわかります(2013年10月5日撮影)

立山連峰を構成する山々は、標高3000メートル級の高山のため、夏が終わると平地より速いスピードで季節が進み、街よりも早く紅葉・黄葉が色づく様子を見ることができます。
 
黒部ダムから望む紅葉(2)

黒部ダム展望台からの眺め。
タイミングが良いと雪をかぶった立山連峰と山の中腹を覆う紅葉を同時に見る絶景を楽しめます!(1992年10月11日撮影)

タイミングに恵まれれば、山の上は雪景色、そして中腹は紅葉・黄葉という2つの季節を同時に感じ取れる風景を目の当たりにすることができます。こんな風景が見られるのも立山黒部アルペンルートならではですね。

山の初冠雪の時期とも密接に絡むので、毎年この風景が見られる訳ではありませんが、紅葉・黄葉だけでも十分素晴らしいので足を運ぶ価値があります。
 
黒部ダムから望む紅葉(3)

観光放水が行われている黒部ダムの上を歩きながら、立山連峰の紅葉を望むことができます(2013年10月5日撮影)

また観光客の多い時期は黒部ダムでダイナミックな観光放水も行われていますので、そちらも必見ですよ。
 

黒部平:前を見ても、後を振り返っても美しい山々

黒部平から望む紅葉(2)

黒部平駅の外に広がる園地。色づいた立山連峰とナナカマドの紅葉が鮮やかです(2013年10月5日撮影)

黒部ダムの近くにある黒部湖駅から、日本唯一の地下を走る黒部ケーブルカーで登ると標高1828メートルの黒部平に着きます。
 
黒部平から望む紅葉(1)

黒部平から立山連峰を眺める。
間近で見る3000メートル級の山の迫力と色づいた山が印象に残ります(2013年10月5日撮影)

黒部平Googleマップ)は、大観峰へ向かう立山ロープウェイの中継駅であると同時に立山黒部アルペンルートの中で唯一、立山(雄山)を中心とする立山連峰と鹿島槍ヶ岳を中心とする後立山(うしろたてやま)連峰の両方を眺めることができる場所です。
 
黒部平から望む紅葉(3)

立山連峰の紅葉・黄葉の中を進む立山ロープウェイ。
ピーク時は1時間以上の乗り継ぎ待ちが発生することも多いので、紅葉・黄葉を見ながら順番を待ちましょう(2013年10月5日撮影)

たくさんの乗り物を乗り継いで移動する立山黒部アルペンルートでは、それぞれの乗り物の定員が異なる(黒部ケーブルカー:130人、立山ロープウェイ:80人 など)ため、混雑期には団体ツアー・個人に関係なく整理券を配布して順番に乗車する方式を取ることがあります。

この時は、各駅での乗り継ぎで最大1時間~2時間程度の待ち時間ができますが、そんな時は黒部平や大観峰であれば外に出ると素晴らしいパノラマが待っていますので、時間の許す限り外を歩いてみてください。
 
黒部平から望む紅葉(4)

黒部平から望む立山連峰の紅葉。雪渓が望めることもあります(2013年10月5日撮影)

黒部平の園地からは、立山連峰を向くと大観峰へ向かう立山ロープウェイが上り下りする姿や雄大な山の風景が目の前に迫ります。
 
黒部平から望む紅葉(5)

黒部平から後立山連峰と黒部湖を眺める。時期が良ければ紅葉・黄葉も彩りを加えてくれます(2013年10月5日撮影)

さらに反対側には、眼下に黒部ダムが作り出した日本で一番標高の高い所にあるダム湖、黒部湖のエメラルドグリーンの湖面と後立山連峰の山々が広がり、まさに感動!の一言です。
 

立山ロープウェイ:360度のパノラマが楽しめる

立山ロープウェイと立山連峰の紅葉

黒部平から立山を結ぶ立山ロープウェイ。
紅葉の時期は車窓から周囲の紅葉をたっぷりと楽しむことができます(2013年10月5日撮影)

黒部平から大観峰へ向かう立山ロープウェイは、立山の自然を壊さないように考慮して駅と駅の間に1本も支柱を立てないようにした世界でも類をみないロープウェイ。その立地条件から、移動しながら360度のパノラマが楽しめる展望台になります。
 
立山ロープウェイから眺める紅葉

立山ロープウェイから後立山連峰と黒部湖を見下ろす。色づいた山肌が美しい!(2013年10月5日撮影)

わずか7分間の乗車ではありますが、立山連峰、後立山連峰と黒部湖を望むことができ、いつまでも見ていたくなる素晴らしい風景です。
 

大観峰:後立山連峰と黒部湖を見下ろす絶景

大観峰から眺める紅葉(1)

大観峰からの眺め。後立山連峰と黒部湖が見下ろせ、山肌を覆う紅葉の絶景も楽しめます!(2013年10月5日撮影)

立山ロープウェイで登った標高2316メートルの大観峰Googleマップ)からも黒部湖と後立山連峰の雄大なパノラマが訪れる人を待ち受けています。

大観峰から室堂へ向かう立山トンネルトロリーバスも混雑期は整理券を配布して順番に乗車する方式のため、黒部平と同様に待ち時間が発生することがあります。また室堂から黒部平へ向かう場合も立山ロープウェイの順番待ちとなる場合があります。
 
大観峰から眺める紅葉(2)

大観峰・雲上テラスからの眺め。
紅葉・黄葉のじゅうたんが広がった先に後立山連峰と黒部湖が望めます(2013年10月5日撮影)

そんな時は駅の外にある展望台や、階段を少し上がった所にある標高2333メートルの雲上テラスから眼下に広がる雄大なパノラマをゆっくり眺めてみてください。
 
大観峰から眺める紅葉(3)

大観峰からの眺め。後立山連峰と黒部湖をバックに紅葉の中を進む立山ロープウェイ(2013年10月5日撮影)

後立山連峰の稜線と黒部湖を見下ろすことができますし、紅葉の中を上り下りする立山ロープウェイの姿も望むことができますよ。
 

室堂平:雄山を望む標高2450メートルの絶景と紅葉

室堂平の紅葉(1)

湖面に立山の主峰である雄山が映りこむ火口湖、みくりが池。
秋を迎えると山の一部が赤く染まります(2013年10月5日撮影)

大観峰から、立山の真下を貫く立山トンネルをトロリーバスで進むと標高2450メートルの室堂(むろどう、Googleマップ)に着きます。
 
室堂平の紅葉(2)

室堂ターミナルに隣接するホテル立山。室堂には宿泊施設が点在しています(2013年10月5日撮影)

ここは立山の主峰、雄山への登山ベースであると共に、高原の風景が広がる室堂平への観光の起点となる場所。今まで紹介してきた黒部ダム、黒部平、大観峰にはなかった宿泊施設が室堂には設けられています。
 
室堂平の紅葉(3)

山小屋・立山室堂の前から眺めた雄山。
ところどころにある紅葉が山の風景を引き立たせています(2013年10月5日撮影)

室堂ターミナルから一歩外へ出ると、目の前に室堂平の風景が広がります。室堂の秋は山全体が紅葉する形ではなく、山のあちこちに赤い木々が点在していますので、そんな風景を探して歩くのも良いでしょう。
 
室堂平の紅葉(4)

みくりが池の畔に見られる紅葉と立山連峰(2013年10月5日撮影)

火口湖がいくつか点在している室堂平で、一番大きな湖が「みくりが池」。周囲をぐるっと散策することができ、雄山をバックに湖を眺める場所では、たくさんの人がカメラを向けています。ここからも紅葉を楽しむことができます。

また室堂平には、立山を代表する鳥、雷鳥(らいちょう)が生息しています。ガイドは雪のないシーズンの室堂に4回行きましたが、残念ながら雷鳥には一度も会えていません。もし室堂平を訪れて、雷鳥の姿を見ることができたならとてもラッキーだと思います。
 

室堂平には温泉宿もある!

みくりが池温泉

日本一最高所にある温泉宿、みくりが池温泉(2013年10月5日撮影)

この室堂平の中に、実は温泉宿があるのをご存知でしょうか。みくりが池近くにある「みくりが池温泉」と言う宿で、宿泊はもちろん日帰り入浴も可能。

標高2410メートル、まさに日本一高い所にある温泉宿なので、散策の疲れを源泉かけ流しの温泉で癒すのにも良さそうですね。


都会より一足先に色づこうとしている立山黒部アルペンルートの紅葉をご紹介しましたが、いかがでしたか? トンネルトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイなど多彩な乗り物も楽しめる立山黒部アルペンルートへちょっと早めの紅葉・黄葉を目指して、ぜひお出かけしてみてください。
 

立山黒部アルペンルートへのアクセス

■ 立山黒部アルペンルートのきっぷは事前購入のWebきっぷが便利
バス・ケーブルカー・ロープウェイ・鉄道とさまざまな乗り物を乗り継いでいく立山黒部アルペンルート。紅葉シーズン等の繁忙期になると扇沢駅や立山駅の窓口ではきっぷの購入に長い行列ができます。

立山黒部アルペンルートのWebサイトでWebきっぷを事前購入すると、立山駅・扇沢駅の受取機で窓口に並ぶことなくきっぷを受け取ることができます。
 
北陸新幹線

立山黒部アルペンルートの入口へのアクセスに便利な北陸新幹線。 富山側、長野側のどちらにも行きやすいです。

■ 長野県側(扇沢)から入る場合
地図:Googleマップ
<鉄道>
北陸新幹線 長野駅よりアルピコ交通バス 特急バスで扇沢へ。長野駅から扇沢まで1時間45分。
またはJR大糸線 信濃大町駅下車。新宿より特急「あずさ」号で松本まで、松本から普通電車で信濃大町までは約1時間10分。「あずさ」号の一部列車は信濃大町まで直通運転します。
信濃大町駅からは路線バス(アルピコ交通バス、北アルプス交通バスの共同運行)に乗車して扇沢へ。信濃大町駅から扇沢まで約40分。

<高速バス>
バスタ新宿・新宿西口から白馬行きの高速バス(京王バス、アルピコ交通バスの共同運行。昼2~3往復(毎日)、夜1往復(季節運行))が信濃大町駅前に停車します。信濃大町駅からは路線バスで扇沢へ。高速バスの夜行便1便(季節運行)は、扇沢駅まで直通します。

<車>
長野道 安曇野インターチェンジから県道または国道147号線経由で大町に入り、大町温泉郷・扇沢方面へ。扇沢のターミナル前に駐車場があります。アルペンルート内にはマイカーの乗り入れは出来ませんが、富山県側に抜けたい人のためにマイカーの回送サービス(有料)が用意されています。

■ 富山県側(立山)から入る場合
地図:Googleマップ
<鉄道>
立山ケーブルカー

立山~美女平を結ぶ立山ケーブルカー

北陸新幹線 富山駅より富山地方鉄道に乗車し、立山駅まで約1時間20分。立山駅からは立山ケーブルカーに乗車して美女平へ上がります。

<高速バス>
バスタ新宿・池袋から富山・氷見行きの高速バス(西武バス、富山地方鉄道の共同運行。昼1往復、夜1往復)が富山駅前に停車します。富山駅からは<鉄道>ルートと同じく富山地方鉄道に乗り換えます。

<車>
北陸道 立山インターチェンジから県道で立山方面に。立山駅に駐車場があります。アルペンルート内にはマイカーの乗り入れは出来ませんが、長野県側に抜けたい人のためにマイカーの回送サービス(有料)が用意されています。立山駅からは立山ケーブルカーで美女平へ上がります。

◆ 黒部ダム
地図:Googleマップ
関電トンネル電気バス

扇沢~黒部ダム間を結ぶ関電トンネル電気バス

扇沢から:関電トンネル電気バスで黒部ダム駅下車。
立山方面から:黒部平から黒部ケーブルカーに乗り、黒部湖駅下車。展望台は黒部ダムを歩いて黒部ダム駅側にあります。

◆ 黒部平
地図
Googleマップ
黒部ケーブルカー

黒部湖~黒部平を結ぶ黒部ケーブルカー

扇沢方面から:黒部ダム駅より黒部ダムの上を歩いて黒部湖駅より黒部ケーブルカーに乗車し、黒部平駅下車。
立山方面から:大観峰駅より立山ロープウェイで黒部平駅下車。

◆ 大観峰
地図
Googleマップ
立山ロープウェイ

黒部平~大観峰を結ぶ立山ロープウェイ

扇沢方面から:黒部平駅から立山ロープウェイに乗車し、大観峰駅下車。
立山方面から:室堂駅より立山トンネルトロリーバスに乗車し、大観峰駅下車。

◆ 室堂
地図
Googleマップ
立山トンネルトロリーバス

大観峰~室堂を結ぶ立山トンネルトロリーバス

扇沢方面から:大観峰駅より立山トンネルトロリーバスに乗車し、室堂駅下車。
 
立山高原バス

美女平~室堂を結ぶ立山高原バス

立山方面から:立山ケーブルカーで美女平駅まで乗車し、立山高原バスで室堂駅下車。
 
【関連記事】
【関連サイト】
「紅葉・黄葉の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで紅葉の名所を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「北陸の名所・旧跡」に、「名所・旧跡」ガイドで北陸の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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