男の料理/男の料理関連情報

本場のミートソーススパゲティ・ボロネーゼのレシピ

「ボロネーゼ」の作り方・レシピをご紹介。本場イタリアではソースの主役は、旨みたっぷりの“肉”。シンプルなレシピながら、空腹にガツンとこたえる本場のミートソーススパゲティで、肉の本当の旨さを堪能しましょう。

執筆者:杉村 昌宏

 

本場のミートソーススパゲティ・ボロネーゼのレシピ

本場のミートソーススパゲティ・ボロネーゼのレシピ

本場のミートソーススパゲティ・ボロネーゼ

“スパゲティ・ミートソース”といえば、子供のころから慣れ親しんだスパゲティの定番。

でも、小さい頃によく食べたミートソースは、甘いトマトケチャップ味のソースにミンチが混じったモノ。
それはそれで、タバスコと粉チーズを「これでもかっ!」っていう程たくさんかけて食べるのは、懐かしい味がして(僕自身は)大好きなんだけど…。

今回紹介するのは、“懐かしの”ミートソースとは一味違う、本場イタリアはボローニャが発祥という“ボロネーゼソース”のスパゲティ。
本来のボロネーゼソースは、あくまで“肉”が主役。大量の肉の旨みをギュッと閉じ込めて、水煮トマトと、ワインの風味で包み込むことが大切なのだ。

ボロネーゼソースは、一度にたくさん作った方が美味しい!
たくさん作って、スパゲティだけでなく他の料理にもどんどん使おう。

<目次>

 

ボロネーゼソース作りのポイント

ボロネーゼソースを作る上での最大のポイントは、最初に挽肉を“ガツン”と焼くこと。

“炒める”のではなく、“焼く”といったのは、ちょうどステーキを焼くように、挽肉に焼き色をつけ、旨みを封じ込めるのが大切だからだ。
最初は強火で、肉をしょっちゅう混ぜたりせずに、ざっくりと挽肉全体に焼き色をつけながら水分を飛ばしていくようにするといい。

あとは、ソフリットとワインの風味を入れ、水煮トマトで包むように、じっくりと柔らかく煮込んでいくだけだ。

※ソフリットとは、玉ねぎ、にんじん、セロリなどの香味野菜をみじん切りにし、オリーブオイルを使って、じっくりと弱火で炒めてペースト状にしたもの。 ボロネーゼに限らず多くのソースに使われ、一種“ダシ”のような役割を果たす。
 

本場のミートソーススパゲティ・ボロネーゼの材料


■材料(ボロネーゼソース)

・牛挽肉 1kg
~ 部位は好みで。できれば牛の塊の部分を粗めに挽いてもらおう。
・トマトの水煮(缶詰) 1リットルぐらい
・ワイン
~ 赤のハーフボトル1本。安いものでよい。
・玉ねぎ1/4個、セロリ1/2本、にんじん1/3本
・にんにく 一かけ
・ベイリーブ(月桂樹の葉) 1枚
・オリーブオイル
・塩、コショウ

 

ボロネーゼソースの作り方・手順

1.ソフリットを作る。
玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくを、それぞれ細かいみじん切りにし、少し多め(100mlぐらい)のオリーブオイルとともに、火にかける。
このとき、あとで煮込みにかけるナベを使えば、そのまま煮込みに入れる。
汚れものをなるべく出さないことが、料理をラクにするコツだ。
決して焦がさないように、弱火でじっくりと炒めていく。
10~20分も炒め、全体がペースト状になればOK。
時間に余裕があれば、30分以上、茶色くなるまで炒めてもよい。甘味と旨みが増すようだ。

※いったん火を止めておく。慣れれば挽肉の“焼き”と並行して進めてもよい。ただしソフリットを焦がさないように…。

2.牛挽肉を、皿などにざっとほぐし広げて、軽く塩・コショウをする。
挽肉は、塊肉を手に入れて、自分で包丁でたたくなどしてミンチにしてもいいが、分量が多いだけに大変。
またフードプロセッサーにかけると、ペーストっぽくなるので加減が難しい。
やはりミートミンサー(挽肉器)で粗引きしたものがいいようだ。

3.大きめの鉄のフライパンか、中華鍋を用意し、強火にかけて十分熱する。
煙が立つほど熱したら、サラダオイル(分量外)をひいて、塩・コショウをした挽肉を入れる。
最初ざっくりと広げたら、それ以上混ぜずに、しっかりと焼き色をつける。
何か焦げてしまいそうで混ぜたい衝動にかられるが、男はガマン。 多少強めに焦げるぐらいが肉の旨みが生きる。
焦げすぎるギリギリまで焼いたら、フライ返しなどを使って肉をざっくりと返していき、再びじっくりと焼き色をつける。

4.返しては焼き、ほぐしては焼きを繰り返し、挽肉全体にカリッとした焼き色を入れていく。
最終的に、全体がほぐれ、水分が完全に飛んだ状態までもっていく。
水分が残っていると、フライパンのオイルが濁っている。これが完全に透き通ればOKだ。
くどいようだが、終始強火で、できるだけ混ぜないで“焼き”を入れられるかが勝負。
料理に慣れない内は、ガンガンの強火は怖いもの。けれども臆することなく強火をキープし、それでいて素材の状態を把握して調理できるようになろう。

※ とはいえ、料理の経験があまりなく、事故につながるような“危険”のレベルがわからないようであれば無理は禁物。 最初から無理をすることなく、何回か挑戦してみるつもりで一歩一歩経験を積んでいこう。
火事や火傷などの事故は“決して起こしてはならない”ことなのだから…。

5.焼きあがった肉を、煮込み用のナベに入れ、ソフリットと合わせる。
ナベを火にかけ全体を混ぜ合わせたら、強火にしてナベを熱する。
ここへ、ワインの2/3量を注ぎ入れる。
入れた瞬間、「ジューッ」とワインが沸く程度にナベを熱しておくとよい。短時間で一気にワインを沸かしてアルコールを飛ばすのだ。

残りのワインは、挽肉を焼いたフライパンに、こちらも強火にかけながら注ぐ。木ベラなどでフライパンを“こそいで”旨みをワインに溶かしこんだら、ナベに合わせ入れる。
中火に落とし、ワインの水分がほとんど飛ぶぐらいまで煮る。こうするとワインの旨みだけがソースに入る。


6.水煮のトマトはスープごとボウルにあけ、硬い芯の部分や残った皮などを取り除いておく。
カタマリは手で握りつぶして全体をほぐしておく。
出来あがりをトコトンなめらかな舌触りにしたければ、バーミックスなどをかけて完全にカタマリを無くしてもよい。


7.水煮トマトを、煮込みナベに入れる。ここに、ベイリーブス1枚を入れる。
沸騰したら弱火~中火におとし、ポコッポコッとやわらかい煮込みの状態をキープする。 決してボコボコと沸騰させないようにする。あくまでやわらかく、だ。


8.この状態でおよそ1時間程度煮込む。ナベ底が焦げ付かないように、ときどき底から混ぜておけばいい。
最後に、塩・コショウで味を調え、ボロネーゼソースの完成だ。
ボロネーゼは、いったんナベごと自然にさますと、旨みがなじんで美味しくなる。どうしてもガマンできなければしょうがないが、スパゲティにするのは次の日にするといいだろう。

 

スパゲティ・ボロネーゼを仕上げる

材料(1人前)
・ボロネーゼソース ~好みの量
・パスタ ~好みのものを好みの量。1.7mm以上の太めが合う。
・粗塩 一握り
・バター ひとかけ(5gぐらい?)
・パルメザンチーズ ~挽いたものを一握り以上

9.フライパンにボロネーゼソースを好みの分量入れ、火にかけて温める。強火のままだと焦げてしまうので火加減に気をつける。

 


10.たっぷりのお湯を沸かし、粗塩を一握りいれてパスタを茹でる。パスタは好みの茹で加減でいいが、当然ここはキッチリとアルデンテで行きたい。

※ 途中、ソースの濃度調節用に茹で汁をカップ一杯程度とっておくとよい。

11.パスタが茹で上がったら、ボロネーゼソースにバターを加えてから、パルメザンチーズを一握り振りいれ、パスタを一気にあえる。
あえながらソースの濃度を見て、水分が足りないようなら茹で汁で調整する。

 


バター、チーズともに自分好みの分量でOK。いずれも大目に入れるとコクが増す。
特にパルメザンチーズは、“ウソッ!”ってくらいたっぷり入れると本当に旨い。

 


肉の旨みが凝縮されたボロネーゼソースのパスタは、“腹ペコ”のときに一気に食べたいもの。
生半可なものじゃあ満足できないような空腹にも、十分な手ごたえで満足感(満腹感?)を与えてくれる。

バターとチーズでさらにコクを増して、ディープな旨みを楽しもう。

 

ボロネーゼソースは、スパゲティのほかに、グラタンあるいはドリアなどのソースとしても威力を発揮する。

一晩自然にさましたボロネーゼは、冷凍して保存しておくのが一番だ。
ジプロックなどの密封保存袋に一回で使う分ごとにわけて入れ、そのまま冷凍する。あまり長く冷凍しておくと味と風味が落ちるが、まあ1ヶ月ぐらいなら大丈夫だろう。

一度にたくさん作った方が味もよくなるので、少なくとも肉1kg分は作って、残りはキチンと冷凍保存しておこう。


ガイドの料理本、好評発売中です!

【関連記事】

【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気レシピの書籍をチェック!楽天市場で人気レシピの書籍をチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます