FODMAPの名前の由来
フォッドマップ食事法(FODMAP)のフルネームは「Fermentable、Oligo-、Di-、Mono-saccaharides and Polyols」で、「発酵性のオリゴ糖、2糖類、単糖類、ポリオール」という意味です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、全て炭水化物に属します。FODMAP食事法とは、FODMAP(オリゴ糖、2糖類、単糖類、ポリオール)の摂取をまずごく最小限にします。その後、少しずつ摂取を開始していき、お腹の不調を起こす食品があるかを探っていきます。FODMAPとIBS(過敏性腸症候群)
またお腹の調子が悪い…。
例えば、フルクトース(果糖)はグルコース(ブドウ糖)と比較して、単体で摂取した場合、体内に吸収されないまま、大腸へと進み、大腸で発酵され、呼吸を通して排出されるという研究報告があります。これは、フルクトースの多いすいかを食べ過ぎると下痢を起こすという一般的な認識や、子供が便秘の時は梨のジュース飲むとよいという言い伝えに科学的な根拠があるかもしれない……ということになります。腸管内の浸透圧や水分吸収に支障がでることに関連しているかもしれません。
また、フルクトース(果糖)は、血糖値の上昇度を表すグリセミック値によると、血糖値が上がりにくいと考えられています。しかし、実際には果物を食べると血糖値が急上昇する人もいれば、あまり上がらない人もいます。もしかすると、フルクトースの化学的な構造だけではなく、フルクトースを吸収しやすい体質の人と吸収しにくい体質の人がいるのかもしれません。
「健康的な食品」は体質次第・・・ということにもなります。例えば、血糖値を上げない甘味料として知られているアガベは一部の人の間で大人気なようですが、FODMAP食事法をする人では、除去するべき食品となります。一部の人の間では体内に吸収されにくいので大人気、そして一部の人の間では体内で吸収されないから大敵ということになるのでしょうか。とにかく、食べ物と体の関係はとても興味深く、この調子で栄養学的なうんぬんを書いていると、100ページ以上の記事になりそうなので、とりあえずハウツーの紹介に入ります。
FODMAP食事療法の方法
FODMAP食事法では、IBSの原因となる食材を探ります。単糖であるフルクトース(果糖)、2糖のラクトース(乳糖)、フルクタン・イヌリン・ガラクタン(オリゴ糖)、糖アルコール・ポリオールを含むものがIBSの原因となっているかを調べます。まずは、これらを多く含む食材を全て1~2週間食べないようにします(下に記載しています)。調味料や加工食品などに含まれているものも多いので、食事療法開始時はなかなか大変かもしれません。食事療法をはじめてからIBSに何の変化もなければ、FODMAPの摂取量とIBSは関係ないということになります。もし、症状が改善したら、次にどの食材がIBSを起こしているのか探る事になります。食事療法開始時に1~2週間避けるべき物
下記の食材を除去した後に、一つずつ食材を足していき、お腹の不具合を観察していきます。【フルクトースが多いもの】
りんご、マンゴ、なし、西洋なし、アガベ、アガベシロップ、すいか、はちみつ、ドライフルーツ、果物の缶詰、コーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖・ブドウ糖果糖液糖(異性化糖・HFCS)
【ラクトースが多いもの】
牛乳、ヤギ乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズソース、クリームソース、生クリーム
【フルクタン・イヌリン・ガラクタンが多いもの】
玉ねぎ、にんにく、グリーンピース、ブロッコリー、麦、ライ麦、すいか、アーティチョーク、アスパラガス、大ネギ、キャベツ、大豆、豆乳、キドニー豆、ひよこ豆
【糖アルコール・ポリオールが多いもの】
さくらんぼ、プラム、プルーン、アボガド、ネクタリン、ライチ、カリフラワー、アプリコット、桃、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール
日常的にとても辛い思いをされている人も多いようです。ちなみにガイドは症状が軽めですが、ソルビトール、マンニトール、一部の缶詰の豆(現在観察中)でお腹が張り、すいかを食べ過ぎると下痢、牛乳と手作りの豆料理でおなら・・・といった感じです。特にソルビトールとマンニトールにかなり弱いので、まとまった量を食べてしまうと45分ほどとても嫌な思いをします。
次回は食事例など実践編をご紹介します。