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低収入層は野菜不足の傾向?!(3ページ目)

「平成23年 国民健康・栄養調査結果概要」が発表されました。中では、日本人の体型や健康状態、食生活などについてまとめられています。その中で、気になる項目をピックアップ。低所得の人ほど生鮮食品が買い難いという状況なども浮かび上がりました。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


多くの人が生活費や将来に不安を感じる時代

また同調査結果概要から「日常生活の中で感じている悩みや不安」の内容は、次のようになっています。
日常生活の中で感じている悩みや不安の理由として、「自分の健康について」と回答した者の割合が男女とも最も高く、男性42.1%、女性48.2%である。20歳代男性と20~40歳代女性では「収入や将来の生活設計について」、30~50歳代男性では「仕事について」と回答した者の割合が最も高い。また、30~40歳代女性の1割以上が、「日々の食事に必要な食費について」と回答している。
仕事は収入や生活費にもつながるわけですから、様々な世代で将来に不安を抱えていることが伺えます。

フードデザートについては、以前「都市生活者も無縁ではないフードデザート問題」で取りあげましたが、人口減少の地方の問題だけではなく、都市部でも起こりうることという指摘が、現実化してきたことは深刻に受け止めなければならないと思います。

交通の便での理由であれば、行政と企業等の協力による移動販売等のサポートなども始まっていますし、生活者レベルでも地域の絆で助け合えることがありますが、経済的な面では私たち生活者の力だけでは解決できない部分があります。

とはいえ、経済状況が悪い中でも、見直すべき点もありそうです。私が子どもの頃と比べると、現在の家計の中では携帯電話やインターネットなどの通信費や子どもの教育費などが占める割合も大きくなるなど、支出の内容も変わっています。経済的に苦しい中では、どうしても食費を詰めてしまいがちなのかもしれません。

「国民健康・栄養調査」の「栄養素摂取量」を見ますと、経済的に不安を感じる若い層(20~39歳)でも、たんぱく質(70g以上)や脂質(60g以上)の摂取量をとっており、「日本人の食事摂取基準」と照らしあわせてみても不足はありません。(*あくまで平均値です。例えば、若い女性等はやせの傾向もあり、栄養のバランスが偏ることで栄養素が充分機能しないこともあります。)

やはり主に不足しがちなのは野菜や果物。仕事で忙しい単身者などは、どうしても総菜やお弁当等の加工品に頼りがちですから、食べているつもりでも、野菜、海草、豆類、キノコ類、果物等は不足しがちです。

このような食材は、加工品よりは安いものが多いと思います。高いものは買わず季節ごとに安く出回る旬のものをうまく選んでやりくりして使いましょう。また忙しくて惣菜等を買う場合も、1品だけでも具沢山の汁物だけでも作って食べるように心がけてください。

「平成22年国民健康栄養調査」では、所得が少ない人ほど、野菜だけでなく運動不足という指摘もありました。もちろん平均値ですから、きちんと工夫してできている人もいますし、どのような年齢、収入があっても、不安が大きい時代であることは同じだと思います。

人任せでなく自分の健康はまずは自分で守ること。将来の経済的な不安があるからこそ、忙しさに流されず今の生活を見直す機会をもって、高い医療費を払うよりも、食生活や運動、喫煙、睡眠などの生活を充実させて、健康でありたいものです。

■関連リンク
1日に野菜350gを食べた方がいいのはなぜ?
都市生活者も無縁ではないフードデザート問題

■参考
・「平成23年国民健康・栄養調査結果概要」(厚生労働省)
・「平成22年国民健康・栄養調査結果 体型・食生活・運動に関する状況」(厚生労働省)
・「2010年版 日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)
その他
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