インターネットは誰が管理しているの?
インターネットは誰が管理しているの
やがてネットワーク同士をつなぐルーターが開発され、ネットワークを次々に増殖できるようになりました。わずか4拠点から始まったネットワークがどんどん増え、現在のインターネットになりました。
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インターネット接続している個々のネットワークにはネットワーク管理者がいます。会社なら情報システム部や総務部が担当。プロバイダーなら社内にネットワーク管理者がいます。ところがインターネット全体の管理者はいません。ネットワークを構成する会社やプロバイダーが、需要に応じて回線増強や他のネットワークとの接続を行っています。つまり自律分散型になっていて、個々のネットワークが最適な行動をとることでインターネットが成り立っています。
ただ攻撃や犯罪目的でインターネットにアクセスするクラッカー、サイバーテロが発生している中、プロバイダーやIX(インターネット・エクスチェンジ)などの努力で何とかインターネットを維持しているのが実態です。では、インターネットがどう管理されているのかみていきましょう。
ドメイン名とIPアドレスはICANNが管理
IPアドレスがインターネットの住所でICANNが管理
ホームページを見るためにブラウザーでURLを入力すると、URLのドメイン名をIPアドレスの変換表を持っているドメインネームサーバ(DNS)に問い合せて、IPアドレスに変換します。これでインターネットの住所が特定できホームページにアクセスできます。
→ インターネット住所枯渇で企業がすべきこと IPアドレスが足りなくなっています
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IPアドレスとドメインを世界に一つにするには、どこかで管理しないといけません。
それがICANN(本部はカリフォルニア)という非営利団体。もともとはIANAという組織が担当していましたが、ICANNに移管されました。IANAはインターネットの父と呼ばれるジョン・ポステル博士が立ち上げ、1998年心臓病で亡くなるまで事務局長を勤めていました。博士の偉業をたたえインターネットに多大な貢献をした人に贈られるポステル賞が創設されています。日本では村井純教授が受賞されています。
ICANNでは全てのIPアドレスを管理しておらず、世界を5地域に分けそれぞれの組織にIPアドレスの権限を委託しています。アジアおよび太平洋地域はAPNICが管理しており、日本はAPNICに属するJPNICが「jpドメイン」の管理をしています。実際のIPアドレス付与はレジストラと呼ばれるたくさんの企業(レンタルサーバー事業者など)に委託しています。