2.主寝室での川の字就寝
子供室が2間続きのワンルームではない場合は、主寝室で川の字就寝をすることが多いようです。主寝室での典型的なレイアウトは、シングルベッドが2つ少し離れて並ぶホテルのツインルームのようなタイプですが、これは将来夫婦のみの寝室になった場合の想定で、子育て期に子供と一緒にベッドで寝る場合は子供が落ちないよう隙間なくベッドをぴったりつけて使うことが多いようです。また、前回触れたように子育て期にはベッドではなくふとんを敷いて寝ていることの方が多いのが実態です。この場合は同様にふとんの収納場所が問題になります。専用の奥行き90cm程度の押入れがあればベストですが、主寝室の収納は衣類のための奥行き60cm程度の収納しかない場合が多いと思います。特にウォークインクロゼットを取る場合はそれ以外に収納を取れないケースも多いのではないでしょうか。結果としてウォークインクロゼットの内部を多くのお宅で拝見すると、通路部分にマットレスが立てて置いてあり、衣類の下にふとんが押し込んであるのを良く見かけます。
クローゼットの入口が折れ戸の場合、折り代の分入口の有効巾が狭まるのでふとんのような大きい物を持って入るのは大変です。開けたとき大きく開くような建具が良いのですが、両開きの場合、中央の通路を通る際に両方の建具を動かさないといけないのが不便です。そこで、3枚に分けた引き戸を考えました。2枚を片側に寄せれば1m程度の開口巾となりふとんが余裕を持って通過できます。中央を通ったり、風通しのために開けておく場合には中央の建具1枚だけを動かせば、人がすり抜けるのに充分な巾となります。
図2:主寝室で川の字就寝する場合
左のように、夫婦の主寝室としてのレイアウトが間取り図に描かれることが一般的。しかし子と一緒に布団を並べて寝るためには、ウォークインクロゼットにどのようにふとんを収納するか検討しておくことが大事。
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図3:ウォークインクロゼットの開き方の違い
折れ戸が1枚の場合、ふとんが通るのに充分な巾がとれない。折れ戸2枚の場合、2枚とも開ければふとんが通る巾は確保できるが1枚だけしか開けない場合は中央を通行する際に不便。3枚引き違いの場合、中央の1枚を開ければ、通行、通風ができ、2枚開ければ、ふとんやタンスなど大きいものが入れやすい。ふとんのしまいやすさと通行しやすさが両立する。
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二世帯住宅ではLDKと個室が同じフロアにあることが多いため、個室で川の字就寝をしてもLDKなどの家事空間に近く、寝ている子どもの様子もよくわかることが多いです。普通の一戸建て住宅ではLDKと個室のフロアが別になることが多いため、上の2例のように個室で寝かせてしまうと不安を感じるかもしれません。そのような場合はどうするか、次のページで考えて見ましょう。