文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
親子の同居といっても、その形態はいろいろあります。1軒の家に2つの世帯が一緒に暮らす「べったり同居」と、当サイトでご紹介してきた、2軒の家がひとつ屋根の下にあるイメージの「二世帯同居」では、同じ“同居”でも、その暮らしぶりはだいぶ違いがあるものです。今回は「べったり同居」経験談を中心に、「二世帯同居」との生活の違いについてお伝えしたいと思います。新居購入をきっかけに同居開始
「なんとかなるかなぁ」ではじめたべったり同居。寝室以外は全て一緒の生活がスタートしました。
新居は、単世帯用のマンションなので、寝室は別々ですが、その他の空間=居間・食堂・キッチン・水まわりなどは全て一緒という、まさに「べったり同居」となりました。実際に生活がスタートしてみると、思っていた以上にいろいろと問題が……。まず日々の生活からお話して頂きました。
過干渉がストレスの原因に!
世話をしてくれるのはありがたいけれど、夫婦の寝室には入って欲しくない…プライバシーの考え方の違いは難しいもの。
例えばお義母さんが、平日に寝室のカーテンを洗ってくれることがあるそうです。もちろん、ありがたいことなのですが、Aさんは留守中に寝室に入られることの方が気になります。このようなプライバシーに対する考え方の違いは、特に難しいと感じる出来事だったそうです。
また、夕飯を毎日つくってくれるのですが、急な残業や飲み会もあり、必ず食べられるとは限りません。でも、夜遅く帰宅した時に「疲れたでしょ?何か食べる?」と言われると、無下に断るのも悪く……といったジレンマもあるとか。こんな日々のつみかさねが、Aさんのストレスとなっていきました。
ルールを決めることでストレス軽減に
日々の生活でつみかさなるストレスは、何とか解決しなくてはなりません。意を決して自分の気持ちを伝えました。
二世帯同居の場合でも「留守の時は自然と手を貸すことはしますが、日々の生活は別々ですね。」と、基本的なルールを決めている方が大半。中には「我が家は、まったく関知しません。」という完全独立派もいるほどです。べったり同居だからこそ、お互いのニーズが違うことを理解した上で、生活のルールや分担を決めることは、円満な同居を続けるコツと言えそうですね。
次ページでは、日常以外のシーンについてみていきましょう。