あっさりブリオッシュのレシピ……必ず報われるリッチな仕上がり!
バターロールよりリッチだけど、ブリオッシュほどバターが入らないのが、「あっさりブリオッシュ」です。パン初心者の方は「難しそう……」と思うかもしれませんが、このパンに挑戦してしまえば、パン作りのハードルがグッと下がります。甘いパンにも、しょっぱいパンにもアレンジできて、応用範囲がとても広いんです。できあがったときに上がる周囲の歓声(もしくは自分自身の達成感!)の大きさこそ、パン作りを続けるモチベーションになるもの。これは、そんなパンなのです。焼き色がこんがりついて、ちぎると中はかわいい卵色。ふんわりと軽い食感で、チョコチップやドライフルーツ、チーズなど、好きなものをなんでも混ぜ込めるし、形を変えればロールパンにも、食パンにも、ドッグパンにもなります。
ブリオッシュの材料(大1個、小6個)
このパンは、卵や砂糖、バターが入るのでガイドは生イーストを使いましたが、ドライイースト(=インスタントドライイースト)を使っても、同じようにできます。できれば、「耐糖性」のインスタントドライイーストを選んでください。
ブリオッシュの作り方・手順
混ぜる
1:混ぜる。
中ボウルにフランスパン専用粉、塩、砂糖、スキムミルクを入れて、スプーンなどでよく混ぜる。
2:泡立て器でよく混ぜ溶かす。
大ボウルに分量の水のうち100gを入れ、手でくずした生イースト(またはインスタントドライイースト)を入れ、1分ほどおく。泡立て器でよく混ぜ溶かす。
4:粉類を加える。
1で混ぜておいた粉類を加え、ゴムベラ、スプーンなどで、よく混ぜる。
6:水20~30gを少しずつ加えていく。
粉けが多く、生地がなかなかまとまらないときは、残しておいた水20~30gを少しずつ加えていく。
分量以上に加えないこと! こねるほどに、しっとりしてきます。こねる
8:生地を台にすりつける。
右手のひらのつけ根と左手の指先を生地にあて、右手は上に左手は下に交互に動かし、生地を台にすりつける。上に動かすときは手のひらのつけ根で押し出し、下に動かすときは指先でひっぱるように。
9:「すりつけこね」をする。
最初のうちは台に生地がこびりつくので、カードでかきおとしながら、「すりつけこね」をする。
10:生地がまとまってくる。
10分ほどこねると、生地がまとまってくる。さらにすりつけこね!
11:こね方を変えてもいい。
生地がまとまってきたら、台上でこねる合い間に、ときどき肉まんを割るように、生地の中心に両方の親指を置いて開き、生地の端同士を裏で合わせるようなこね方をしてもいい。
12:なめらかになった生地。
生地の表面がブツブツ、ガサガサせず、なめらかになったら、手についた生地もカードでかきおとして、生地に合流させる。
手についた生地を洗い流してしまうと、できあがりの分量が減ってしまいます。13:指先でそっと伸ばし広げてみる。
カードで生地を少量とり、指先でそっと伸ばし広げてみる。指がすけるくらい伸び、弾力があればOK。
14:こね足りない場合。
生地が薄く伸びず、穴がぶちぶちあいてしまう場合はまだこね足りない。
バターを加える
15:無塩バターを、ペタペタとぬりつけていく。
生地を手のひらで平らにし、指先でできるだけ大きく広げる(直径20cmくらい)。上にやわらかくした無塩バターを、ペタペタとぬりつけていく。
16:オムレツのような状態にする。
生地の両端を中心でつまんでとめて、オムレツのような状態にする。
17:バターをなじませていく。
生地を両手でにぎりつぶすようにして、バターをなじませていく。最初はバターでベタベタになるが、気にせずニギニギする。台についたバターもときどき、生地でふいて残さず使う。
手についたバターも拭いてしまわないで、生地に合流させましょう。18:生地がひとまとまりになる。
10分ほど、「ニギニギこね」をしていると生地がひとまとまりになる。
19:表面がなめらかになる。
さらにこねると、表面がなめらかになる。生地がまとまってきたら、手のひらのつけ根で、手前から向こうに押し出すようにこねる。こねながら、生地を回し、角度をかえていく。
発酵
20:一次発酵させる。
中ボウルに入れて、水にぬらして固く絞った布巾をかけて一次発酵させる。オーブンに発酵機能があるなら30℃で約1時間。25℃~30℃の室内なら、1時間~1時間半、生地の大きさが2倍くらいになるまでおく。
21:冷蔵庫に入れておけるのは半日くらいが目安。
もしも「今日はもうパンを作っている時間がない!」というときには、19の生地を20~30分室温においてから、プラスティックの容器などに生地を入れて、冷蔵庫に保存する。時間ができたら冷蔵庫からとりだし、もう一度、一次発酵をさせてもいい。
冷蔵庫に入れておけるのは半日くらいが目安です。それ以上になりそうなときは、あらかじめイースト量を半分にします。22:生地がふくらんだら、フィンガーテスト。
生地がふくらんだら、フィンガーテスト。指先に小麦粉をつけて、生地の中央にゆっくりと差し入れる。穴があいたままなら一次発酵完了! 穴がふさがるようなら、もう少し発酵を。生地がぺしゃんとなってしまったら、発酵しすぎ。
発酵しすぎた場合は、レスキューはできません。出来ばえは期待できないけれど、練習のために最後まで焼いてみてもいいかもしれません。気温の高い時期は、早めにフィンガーテストをしてみましょう。パンチ・分割・丸め・ベンチタイム
23:指先でそっとつぶし、パンチダウン。
生地を台に取り出して、指先でそっとつぶし、パンチダウン。
24:生地を分ける。
カードやスケッパーを使って、生地を半分にする。半分をさらに6等分、もう半分は3等分にする。
スケールで計って、大きさをそろえるとなおよし!25:中心でつまみ留める。
分割した生地を平らにして、周囲の生地を中心でつまみ留める。
26:手のひらできれいな丸にまとめる。
つまみとめたほうを下にして、手のひらできれいな丸にまとめる。
27:15分ほど休ませる。
台の上に26を、間隔をあけて並べ、ぬらして固く絞った布巾をかけて15分ほど休ませる(ベンチタイム)。
成形・最終発酵・焼成
28:天板に並べるか、マフィン型などに入れる。
6個に分けた生地を平らにして、25、26の要領で丸める。生地をつまみ留めるときに、すきまができないようにきっちりと。そのまま天板に並べるか、マフィン型などに入れる。
生地はやさしく扱い、できるだけさわる時間を短くします。29:平らにしてから上3分の1を折る。
3個に分けた生地は、平らにしてから上3分の1を折り、指先でぴったり密着させる。
30:生地をさかさまにして、また3分の1折る。
生地をさかさまにして、また3分の1折り、生地を密着させる。
32:少し長めの棒状にする。
手のひらで転がして、型より少し長めの棒状にする。他の2個も同様に。
33:三つ編みをする。
台に3本をタテに置き、上の端を合わせて、押しつぶすように密着させる。三つ編みをする。
34:型に詰める。
編み終わったら、3本の端を合わせて、押しつぶすように密着させる。両端を裏側にたくしこむように型に詰める。このまま天板にのせて焼いてもいい。型は、8.5cm×15cm×5.5cmのパウンド型を使用。
35:最終発酵させる。
生地の上に水でぬらして固く絞ったフキンをかけ、最終発酵させる。オーブンに発酵機能があるなら30℃で約40分。25℃~30℃の室内なら、40分~1時、生地がひとまわり大きくなるまでおく。オーブンを180~190℃(ガスオーブンなら低めに)に温める。溶き卵に水を少し加えて薄め、34の表面に刷毛で塗る。オーブンに入れて12~15分焼く。
型に入れたものは、少し長めに焼きます。ガイドのワンポイントアドバイス
ブリオッシュといえば、フランスではフォワグラに添えるパンとしても知られます。トーストしたブリオッュ、フォワグラや鶏レバーのムースやパテ、甘いデザートワインの相性は最高です! 甘党なら、トーストしたブリオッシュにホイップした生クリーム(さらにあんこをのせても)を添えて、おやつにしてもいいですね。(パン制作/松野玲子 撮影・スタイリング/野口英世)