文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
おふくろの味・礼儀作法・伝統行事の作法・冠婚葬祭の知識など、昔から受け継がれてきた暮らしの知恵や生活文化は大切にしたいものです。年末年始は、お歳暮・年賀状・大掃除・正月準備(お飾り・お節づくり)・お年始と、親族とのおつきあいが多くなる季節。親世帯にとっては“我が家の伝統”を子や孫の世代に伝えられる良い機会と言えます。子世帯にとっても、結婚後初めての行事では、何をどうすれば良いのか戸惑うことも多いのではないでしょうか?そもそも結婚前には、自分でお歳暮を贈ったりお節をつくるなど、なかなか真剣に取り組まないものですよね。こんな時こそ二世帯住宅のメリットを活かし“我が家の伝統”を同居母からばっちり教わりましょう!
同居形態により気をつけたいポイント
家庭内の行事を切り盛りをしなくてはならないのは、主に主婦となります。そこで、息子夫婦同居・娘夫婦同居により気をつけたいポイントを、主婦の視点から整理してみました。-
●息子夫婦同居
基本は子世帯・夫の実家のスタイルになります。子世帯・妻からみると、今まで育ってきた自分の家とはいろいろとやり方が異なるでしょう。はじめは戸惑うことも多いと思いますが、行事の度に少しづつその家の手法を教わりましょう。しかし新しい世帯を築くわけですから、全てを夫の実家のスタイルにしなくてはならない訳ではありません。自分の実家のスタイルも上手に取り入れて、融合できるといいですね。
親世帯も、何が何でも「我が家のしきたりをちゃんと覚えてくれなくちゃ!」ではなく、子世帯・妻の育ってきた習慣も受け入れる余裕を持ち、親世帯の伝統を上手に継承できるとベストですね。
●娘夫婦同居 切り盛りをする親世帯・妻と子世帯・妻が実の母娘なので、細かいやり方やしきたりの継承に気を使うことはないでしょう。そのため、子世帯・妻の家のやり方で進めてしまいがちです。しかし、子世帯・夫にしてみれば、いろいろと「違うぞ...」と感じることや、「こうして欲しいなぁ...」と思うこともあるはず。独立した別々の世帯として、子世帯・夫の意思も充分に反映してあげる配慮が必要です。
とは言っても、実際に切り盛りをした経験の無い子世帯・夫からは、具体的な手法は聞き出せないかもしれません。年末年始に子世帯・夫の実家に出向く機会があれば、別居母からいろいろ教わることもできますね。きっと、良いコミュニケーションになるでしょう。
では、具体的な行事を例に少しみていきましょう。
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