ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

飲みニケーションを脳の働きから考える!

飲み会は、仲間同士の親密性を高める絶好の機会。それは、お酒を飲むと脳の働きが変わるからです。いつもの飲みニケーションを、脳の働きから振り返ってみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

飲みニケーションの意義、果たしてますか?

新入社員も認める飲みニケーションの意義とは?
新入社員も認める飲みニケーションの意義とは?
親密でない人との飲み会は面倒くさいと思う人も多いですが、会話を弾ませるためには、飲みニケーションは有効です。

日本能率協会が、新入社員約1,300人に対して行った調査(2008年)によると、上司との飲み会を「有意義」と感じる新入社員は、約9割に上っています。20代のお酒離れ傾向が指摘されるなか、飲みニケーションの意義を認める新人が多いのは驚きです。

ところで、仕事の人間関係の向上に「飲みニケーション」がよく利用されるのは、お酒を飲むことで脳の働きが変わることと関係しています。

適度にお酒を飲むと、“新しい脳”と言われる「大脳新皮質」の働きが少し麻痺し、“古い脳”と言われる「大脳辺縁系」が活性化されることが分かっています。


キーポイントは“古い脳”

古い脳”の力を借りれば、固い会話も丸くなる
“古い脳”の力を借りれば、固い会話も丸くなる
“新しい脳”つまり大脳新皮質は、人間が進化の過程で最も新しく獲得した脳のセクションです。主に物事を理性的に考えたり、合理的に対処する働きをします。

一方で、“古い脳”つまり大脳辺縁系は、五感や情動、記憶をつかさどるセクションです。この働きを高めると、感情が豊かになり、思ったことを素直に表現できるようになります。

現代的な生活では“新しい脳”を働かせる場面が多く、“古い脳”の働きが少し抑制されているのです。そこで、お酒を適度に飲むことで、“新しい脳”を少し緩めて“古い脳”の働きを高めてあげれば、理性によって押さえられていた素直な感情や喜怒哀楽を表現することができます。

飲みニケーションが絶好調なのは、このときです。理性の縛りをすこし緩めると、リラックスして固くならずに話が弾みます。

この状態の目安は、「気持ちいいなー」というほろ酔い加減です。大事なのは、そこから酒量をぐんと伸ばさないことです。今飲んでいるお酒をちびりちびりとやり、おかわりは1杯程度で止めておくこと。それ以上飲むと、今度は飲みニケーションが滅茶苦茶になります。


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