文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
祖父母との交流、盛んですか? |
ご紹介する調査は、首都圏に住む小学校高学年から中学生の子ども(約1100名)と、その祖父母(約1500名)を対象に「孫と祖父母の交流の実態と意識」について尋ねたものです。その中から抜粋した回答を元に、祖父母が孫に与える影響をみてみました。
同居形態により異なる「祖父母からよく聞いた話」
祖父母の交流ということで、オーソドックスな「会話」に注目してみます。祖父母と子ども(孫)達は、どのような話をしているのかについて聞いてみました。Q:おじいちゃんおばあちゃんからは、どんな話をよく聞きましたか?(複数回答) |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
同居・別居に若干の差が見られたものの「お父さんやお母さんの子どもの頃の話」については、全体に高い数値となっていました。孫と祖父母間で話をする機会が少なくても、共通の話題となることが多いようです。
一方「戦争や戦後の大変だった時の話」という答えには、同居と別居による違いがはっきりうかがえました。日頃から親しく話をする機会の多い同居でないと、こうした経験は伝えにくいようです。また「先祖や親戚の人たちのこと」「お祭りなど古くからの生活習慣やしきたり」など家系や生活伝承などの場合も似たような傾向がみられました。このように、核家族が多くなった昨今、戦争体験・家系・古くからの生活習慣など文化を伝承するという面では、祖父母の影響力は次第に小さくなりつつあるといってよいかもしれません。
◇二世帯住宅研究所の書き込みより
●20代男性 小さいころおじいちゃんには、戦争の体験を教えてもらいました。「戦争は何もいいことはない、苦しむだけだ」という言葉も戦争に行った人の言葉だからとても説得力がありました。私はいま、大学生になり戦争とは何だったのかをいままで以上に考えるようになりました。また、戦争経験者のおじいちゃんから教わったことを忘れずに世界平和に微力ながらも貢献していこうと思いました。 ●10歳未満男子 おじいちゃんおばあちゃんに教わったことは、昔の家にはラジオが一台有って、夕食の時にはみんなでラジオを聞きながらご飯を食べたこと。テレビなんか無くてその日起きたことをみんなで話したことです。 テレビが無かったんだー! |
この書き込みのように、身近な人からの経験談は深く心に残り続けます。戦争に限らず、貴重な経験を孫の世代に伝えていけたらと感じました。
では次に、子どもの行動や生活スタイルについてみていきましょう。