文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
住まい選びの選択肢として「ストック住宅(=中古住宅)」はいかがでしょうか? |
ハウスメーカーでは、以前に自社で施工・販売した住宅を、再び「ストック住宅」として販売する、という役割を持っているところもあります。ストック住宅には、それなりのメリットがあります。そのメリットとは何か、また購入時に気をつけなくてはならないことなど、ストック住宅について注目してみます。
日本の住宅の平均寿命26年...は短い!
<住宅の平均寿命の比較> 国土交通省が試算したデータ (平成8年 建設白書より) |
- 今までの住宅の質が低いこと
- 中古住宅の流通が活発でないこと
- リフォームがしにくいこと
しかし、耐久性がある住宅が増えた昨今、たった30年でスクラップにしてしまうのは、もったいないのはもちろん、地球環境を考える上でも、決して良いことではありません。国土交通省でも昨年7月に、国の住宅施策として、2006年度から2015年度の10年間で、取り壊される住宅の築年数の平均を、約30年から約40年に延ばす数値目標を設定しています。
日本の住宅寿命を延ばすためには、良質な「ストック住宅」を生かすことが鍵となります。住宅取得の際には、この「ストック住宅」も選択肢のひとつに入れ、考えてみるのも良いのではないでしょうか。
【参考記事】日本の家が短命なワケ
ストック住宅を購入するメリット
それでは「ストック住宅」を購入するメリットとは何でしょう。大きく以下の3つがあげられます。●実際の建物が確認できる
「ストック住宅」は、土地+建物がセット売りとなります。住環境だけでなく、建物が既に建っているので、実物を確認できるのが大きなメリットです。ご自身の生活をイメージしつつ、建物の使い勝手などをしっかり確認し、じっくり検討しましょう。
●住宅取得にかかる費用が安い
「ストック住宅」最大のメリットは経済面。土地を購入して新築する費用に比べると、高性能の住宅を求めやすい価格で手に入れることができるのです。経済的なことで二世帯住宅をあきらめていた方も、ストック住宅を視野に入れれば、新居取得のチャンスが得られるのです。
●住宅取得までの時間が短い
物件の状態(居住中or空き家・リフォームの要不要など)にもよりますが、基本的には、売買の契約が済めば入居できるのが「ストック住宅」の特徴。土地から探して新築をしたり、建て替えをするより、短期間で新居が取得できることになります。例えば、家族の健康上の理由などから、急いで同居をしたいと言う場合など、時間が節約できるのは、とても有効だと感じるのではないでしょうか。
それでは、この「ストック住宅」を購入する際に、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
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