癌(がん)/がん告知・余命の考え方・メンタルケア

知っておきたいがんに関する2つの「告知」(2ページ目)

あまり知られていませんが、がんには2つの告知があります。一つは、「あなたの病名は、がんです」という病名告知です。しかし、近年、もう一つの告知である病状告知も少しずつ広まりつつあります。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

がんの「病状告知」とは?

がんの病状告知
がんの治療において、その病名だけでなく、病状もすべてご説明するケースが少しずつ増えてきています
病状告知とは、たとえば、胃がんの患者さんに「あなたの胃がんは、肝臓に転移が見られ、がんとしてはもっとも進んだstageIV期になります。統計的にIV期の胃がんの5年生存率は、○%です。」という風に、がんの進行度や予後についてお伝えすることです。

私が研修医になったころは、患者さんへの病名告知がほぼ全例に行われるようになっていましたが、このような病状告知は、まだまだ患者さんのご家族にのみお伝えすることがほとんどでした。

しかし、今、少しずつではありますが、患者さんご自身にもこのような病状を告知することが増えてきています。

患者さんの自己決定権に対する意識の高まり

患者さんの自己決定権
病状告知が広まってきた理由の一つは、患者さんの自己決定権に対する意識が高まってきたことです。
古来、医療というのは、慈父の精神で行われるものとされてきました。医師が患者さんに行う治療は、父が子供に対して行うことのように、説明も不要で、子供はされるがままにしておけば良いという考えで行われていました。

今でも、時々、「詳しい説明はいりません。すべて先生にお任せします。」とおっしゃる場合もあるのですが、それはまさに、このパターンと言えます。

しかし、現在、医師と患者さんは対等の関係であり、患者さん自身が主体的に治療に取り組むのを専門家である医師がサポートするという形になりつつあります。さらに、それに加えて、患者さんに「自分の健康や生命に関わる問題は、自分で決めていきたい」という考え方が広まってきているように思います。


当ガイドサイトでの読者アンケートでも、がんの病名も病状もすべて知りたいとお答えになった方が、なんと、85%となっています。

確かに、自分自身のがんの状態がどの程度のものかを知りたいというのは、当然の欲求ですし、また、残念ながら進行した状態の場合なら、「自分に残された時間は、あとどれくらいか」を知っておきたいということも、理解できるのではないでしょうか。

このように考えてみると、がんの病状告知は、今後、ますます進んでいくのでしょうね。

【関連リンク】
がんの病名告知のあと、気をつけるべきことは?
 ⇒もし明日、「がん」と告知されたら?(All About がん・がん予防)

がんの治療をはじめた時には、目標を2段階におくことがポイントです
 ⇒目標は2段階! がんとの上手なつきあい方(All About がん・がん予防)


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