クロージングは怖くない
クロージングのタイミングを誤判断する人は多い
営業マンのなかには、クロージングに対して苦手意識を抱いている人が少なくありません。以前お客さんに強く契約を迫ったために信頼関係を損ねた経験があったり、逆に、信頼関係を損ねるのが怖くてなかなか自分から積極的に契約を働きかけることができない、といったことに悩んでいる営業マンが多いようです。
しかしクロージングは、役割をしっかり理解し適切なアプローチを行えば、必要以上にリスクを感じるようなものではありません。
今回は「商談におけるクロージングの役割」「クロージングに至るまでの適切なアプローチの仕方」「クロージング後に申込書、契約書を交わすときの注意点」について説明したいと思います。
商談におけるクロージングの役割
クロージングには、営業マンがお客さんに対して「最後の決断を促す」という意味合いがあります。高さ10メートルの飛び込み台から、プールに飛び込もうとしている人を想像してみてください。「いざ!」と思ってはいるものの、どうしても最後の勇気が持てません。気持ちは飛び込みたいのに、足がすくむのです。
そういう人に「大丈夫だよ」と言って、背中をポンと押してやることがクロージングです。決して嫌がる相手を10メートル上の飛び込み台まで引っ張り上げて、無理矢理飛び込ませようとするものではないのです。
逆に言えば、飛び込む気持ちになっていないお客さんに、クロージングを迫るべきではないということです。そういうお客さんは、まだヒアリングやプレゼンテーションの段階にあります。にもかかわらず、無理にクロージングを働きかけようとするから、関係が気まずくなったり、相手を怒らせることになってしまうのです。したがって、お客さんに最後の決断を促すときには、お客さんが10メートルの飛び込み台の上にすでに立っていることが条件となります。
ではどうすれば、お客さんを飛び込み台の上に立たせることができるのでしょうか。そして適切なタイミングを見計らって、背中を押せるようになれるのでしょうか。それは営業マンがクロージングに至るまでに、適切な手続きを踏んでいることが条件となります。