大学生の就職活動/就職活動の選考対策

就活面接の基本ノウハウ「傾聴スキル」(5ページ目)

面接はスピーチではない。自己PRを面接官の心に伝えるためには、まず面接官と信頼関係を構築しなければならない。傾聴は会話の「繋ぎ目」に心を配って信頼を勝ち取る、面接必須のコミュニケーションスキルだ。

執筆者:見舘 好隆

信頼関係構築の段階で、絶対にしてはいけないこと。

乾杯
どうせなら、たくさんの友達から信頼されたいと思うだろう。信頼さえあれば、君に何かをたくさん贈ってくれる。それが君の可能性を拡げるのだ。
面接官との信頼関係構築こそが基本であり、その上で初めて君のメッセージが生きてくることをわかってもらえただろうか。この考え方は、友達とのコミュニケーションにおいても同じである。傾聴による信頼構築無しに、相手の気持ちを「わかったような」発言をしてしまっては、相手を傷つけてしまうことがままある(さすがに面接の時に余計なことを言う度胸は無いと思うが)。では、会話する時についついしてしまう「してはいけないアクション」とは何かを考えてみよう。

  1. 探索
    「どういう理由でそうしたのですか?」「なぜ?」など。例えば「こんな失敗したんだよ!」と相談してくれた時に、いきなり「なぜ?」と聞いてはいけない。相手はまず「失敗して動転している気持ちを汲んで欲しい」のだ。理由は二の次。信頼関係を構築した後だ。
     
  2. 矛盾提示
    「先ほどのお話とこの部分が繋がっていませんね」など、相手の会話のほころびを突くこと。相手は矛盾をしつつも何かを伝えようとしているのかもしれない。矛盾していることこそ、伝えたいことかもしれない。逆に矛盾を突かれて動揺してしまうかもしれない。矛盾を掘り下げていく作業は、信頼関係が構築されたあとの作業だ。
     
  3. 解釈
    「きっと○○なのですね」など、主観的な理解を言うこと。これははずした時にかなりダメージが大きい。まずは相手の気持ちを傾聴し、「何が問題なのか」を明確にし、その問題の解決策は何かを一緒に考えていこうという信頼関係を構築した後にはじめて、主観的な理解を述べてもいいと思う。いきなり決め付けると、相手は「見下された」感じを持ってしまう。危険極まりない。
     
  4. 情報提供
    「例えば~はいかがでしょうか」など、提案をすること。これもいきなりするのはまずい。「解釈」と同様、まずは傾聴し、問題を明確にし、信頼関係構築後にはじめて、主観的な提案をしてもいいと思う。いきなり決め付けると、相手は「まだ理解していないのに、当てずっぽうでものを言うなんて」と、悲しい思いをするぞ。絶対してはならない。


以上、傾聴がどれだけ大切か、また傾聴無しに話を進めることがどれだけ相手を傷つける可能性があることなのか、わかってもらえただろうか。それは面接でも同じこと。ただ一方的に自己PRをスピーチしたって、君の魅力は伝わらない。そして信頼を構築できない学生に、決して内定は出さない。


君を信頼して初めて、君のメッセージは面接官の心に届くのだ。
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