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税制は知らないと危険! 単身持家女性!結婚後の過ち

単身女性がマイホーム取得後に結婚した場合、気がつかずに“こんな”失敗をしています。あとで慌てないためにも、心当たりの人は必読です。

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女性向けのマンションが売れる理由とは?


Happy Wedding
 もう「負け犬」なんて呼ばせない
紀宮さま(35歳)が東京都職員の黒田さん(39歳)との婚約を発表したのは記憶に新しいニュースですが、皇族の中では最も遅い結婚となるそうです。少子・高齢化が進んでいる中で同時に「晩婚化」も定着し、30~34歳の女性の未婚率は約27%、35~39歳では約14%となっています(総務省「2000年国勢調査」)。「事実婚」といった、戸籍上は他人のまま同居生活を続けるカップルが増えてきたことも、その割合をかさ上げしている要因ですが、「30代以上、未婚、子供なし」を『負け犬』と呼ぶ現在、まさに結婚受難の時代へ突入しているようです。

ファミリータイプとワンルームの中間的なカテゴリーに分類されるコンパクトマンションが堅調な売れ行きを示すのも、けん引役はこうした「シングル族」であり、都心のアーバンライフを謳歌(おうか)すべく、分譲マンション購入へと突き進むのです。


これって贈与税の対象なの?


こうして「終の棲家(ついのすみか)」を確保したレディー達がいざ結婚となった場合、知ってか知らずか“こんな”過ちを犯してしまいます。以下に、具体例をご紹介しましょう。


32歳でマンションを購入したA子さん。45平方メートルの2DKを3800万円で契約し、3000万円の住宅ローンを組んだ。3年後に結婚して新婚生活を始めたが、ご主人の貯金200万円をローンの繰り上げ返済に充てた。


上記ケースでは、登記簿上もローン上も名義はすべてA子さんのマンションに(名義上は)第三者のご主人が資金提供したことになります。この行為はご主人からA子さんへの贈与に相当し、贈与税の対象となります。たとえ夫婦間であっても関係ありません(注)。

贈与税は基礎控除として年間110万円までは課税されない仕組みになっていますので、その範囲内であれば問題ありませんが、110万円を超えた部分には一定割合の税率を掛けた贈与税が発生します。当該事例では9万円〔(200万円-110万円)×10%〕がB子さんに課される計算になります。


(注)婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合には、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(=非課税)される制度があります。


家持ち専業主婦は要注意



2年前に自分名義で都内にマンションを購入したB子さん。2500万円の住宅ローンを組んだが、住宅ローン減税の制度を活用して昨年分は確定申告を行い、およそ20万円の所得税還付を受けた。今年に入ってから結婚および退職して夫の扶養家族扱いとなり、それから住宅ローンの返済は夫の収入(のみ)から行っている。今年も昨年同様に住宅ローン減税の適用を受けるために確定申告するつもりだ。


このケースも前出の場合と同様、ご主人からB子さんへの贈与に相当します。本来はB子さんが支払わなければならない住宅ローンをご主人が肩代わりしているからです。1年ごとのローン返済(肩代わり)合計額が毎年110万円以内であれば、贈与税の非課税枠に収まり課税を免れることとなりますが、B子さんに再就職の予定がなく専業主婦を続けるようであれば、「住宅ローン残額を一括で贈与した」と見なされるため贈与税の対象となります。

念のため税務署へ確認しましたが、当該事例で贈与税が発生するかどうか(定期贈与なのか普通贈与なのか)は判断が分かれていましたので、心当たりのある方は必ず税務相談されることをお勧めします。

次に住宅ローン減税については、B子さんはすでに退職していますので、確定申告時に必要となる源泉徴収票を取得できませんし、そもそも所得税を支払っていません(専業主婦で収入ゼロ)ので減税を受けようがありません。住宅ローンおよびマンションの名義をB子さんからご主人へ移転(中古マンションを妻から夫へ譲渡=夫婦間売買)すれば、今度はご主人が住宅ローン減税を受けることが可能と考えがちですが、身内からの取得では住宅ローン減税は適用されませんので、ご注意下さい。


今後の対応策として、引き続きご主人が肩代わりを続けるのであれば、夫婦間売買して「完全にご主人のもの」とするのがいいでしょう。気をつけたいのが、ご主人の取得価格が市場価格を著しく下回った金額で取り引きをすると「低額贈与(相手方に時価との差額の利益を与える贈与)」とみなされ、今度はご主人に贈与税がかかってくる点です。「時価」による売買をしましょう。なお、場合によっては「譲渡損」が発生することも想定されますが、住宅ローン減税同様に身内間売買では「譲渡損の繰越控除」などの特例は適用されません。

<補 足>
著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合、民法上は売買取引であり、無償を前提とした贈与とはいえませんが、税法上はその財産の時価と対価の差額を「贈与があった」ものとして取り扱います。「負担付き贈与(財産の贈与を受けた者に一定の返済義務を負わせる贈与)」を考える方もいると思いますが、負担付き贈与も夫婦間売買も実質的な結果は同じです。

負担付き贈与をしたB子さんは、その負担させた債務の金額でその財産を譲渡(売却)したことになりますので、譲渡益が出ていれば譲渡所得として所得税や住民税がかかります。


今回ご紹介した事例はどこにでもありがちなケースです。単身持家女性の皆さまは、結婚後に同じ過ちを繰り返さないよう十分にご注意下さい。



<ご注意とお願い>
本文中の税制内容は平成16年4月1日現在の法令などに基づき記述しています。最終的な判断は各自にてお願いいたします。また、個別のご質問にもお答えしかねますのでご了承下さい。


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更新日:2005年01月14日

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